■城里町のみなさんから学ぶこと〔2〕
フェイスブックやメールでコメントをもらっていますので、私の意見はさらに先延ばしにして、私の体験したことを今日は書くことにします。
もう10年近く前になるかもしれませんが、青森県の三沢市の「花いっぱい運動」の相談を受けたことがあります。
青森県の三沢市では、2001年ころから、まちづくり活動の一環として、花と緑のまちづくり活動補助金制度をつくって「花いっぱい運動」を展開してきました。
その補助金制度が来年からなくなることになったのですが、これまでの活動成果を進化させ、まちづくりに発展させていきたいということで、住民による「花と緑のまちづくり推進委員会」が発足し、行政との検討会が開催されたのです。
そこに、参加させてもらいました。
まず、全員の自己紹介がありましたが、5年間の資金助成の成果は見事に出ているようで、多くの方が花づくり活動の意義を実感しているようです。
ただ残念ながら、これまでの支援がほとんど資金助成だったためにみんなの関心がまだお金をどう工面するかにあることでした。
これがおそらく日本の住民活動や市民活動の最大の問題です。
そこから抜け出ないかぎり、今のお金万能の社会は変わっていかないでしょう。
私はまずみなさんに「自分の家の庭の花づくりに助成金を当てにしますか」と質問しました。
自分の家の花づくりと自分の町の花づくりとどこが違うのか。
この町が「私の町」だと思えれば、ごみなど捨てないでしょうし、花も植えたくなるでしょう。
その意識のないまちづくりは、他人事になってしまいます。
補助金があるから花いっぱい活動をしているのか、自分たちの住んでいるまちを花でいっぱいにしたいのか。
そこに「まちづくり」を考える大きなヒントがあるはずです。
その後の動きは、とてもうれしいものでした。
住民たちが、それぞれにできることや提供できること(たとえば花の苗を育てる場所など)を出し合って、補助金がなくても、「花いっぱい運動」がまわりだしたのです。
そして1年後には、住民たちが自分たちで住民に呼びかける公開フォーラムまで開催したのです。
お金がなくてもできることはたくさんあります。
いや、お金がないからこそできることもあるのです。
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