■城里町のみなさんから学ぶこと〔3〕
この問いかけに関して、数名の方からコメントなどをいただいていますが、個人あてに来たご意見のなかに、とても共感できるものがありました。
埋田さんからのものですが、ご本人の了解を得て、全文を紹介させてもらいます。
私も、いくつか気づかせてもらいました。
興味があった記事でしたので、私も、私自身の視点(子育ての視点)での考えをお伝えしてみようと思いました。
新町長さんの決断と実行力は、素晴らしいと思いました。
お金は便利です。困りごとを簡単に解決してくれます。
お金を出せば、新品の備品が手に入り、引越し業者がプロのテクニックで
安全に、スピーディーに作業してくれることでしょう。
子育てをしていても、便利さにうっかりと手を出してしまいそうになることがあります。
例えば、小学校で彫刻刀が販売された時に知ったのですが、最近の学童用の彫刻刀には
「安全ガード」という装置がついていて、子供が怪我をしない為の工夫がされています。
大抵の親は、「あぁ。安全!便利!」と、何の疑問も抱かずそれらを買い与えます。
刃物を扱う機会の少ない子供たちが「刃物」を体験する貴重な機会なのに。
怪我をするかもしれない、という体験でしか、教えられないことがあると思うのですが。
城里町で行われた引越しも同じだと思います。
重たい荷物を持って、腰でも痛めたら誰が補償してくれるでしょう。
業者に頼んでおけば問題は起こりにくいでしょうね。
しかし、彫刻刀と同じように、大切な機会を失うと思うのです。
重い荷物は、きっと力持ちの若い男性職員が協力し合って運ぶでしょうし、
力仕事が苦手な女性職員や年配の職員の方は、自分にできる仕事を探して作業するでしょう。
そうして得られた、仲間意識や互いをいたわり合うことこそ、
行政を支えていく上で最も大事な意識を育ててくれるものだと思います。
今後、この作業に参加された職員のみなさんは、まずお金で解決をするという考えは捨てるでしょう。
他に使えるものはないだろうか?お金以外に解決する方法はないだろうか、と知恵を出し合うと思います。
小さな知恵を出し合う習慣が日常になれば、これまでお金でしか解決できないと思い込んできた様々なことが、新しい考え方で議論されるようになると思います。
互いに気遣うことも増えるはずです。
仕事に行き詰っている人、困っている人に気付けるようになります。
助け合い、いたわり合う感性は、町民の生活にも向けられるはずです。
血の通った行政が育つと思います。
いいこと尽くし!と思いました。
そこで、この件について私の考えを夫に伝えてみました。
大部分で、私の意見に賛成してくれましたが別の考えも話してくれました。
勤め先で時々起こる出来事らしいのですが、一個100円の単価の部品を100個手に入れようとしたとします。
1円でも安いものをと思い、1時間かけて探し続けたら、単価99円のものを見つけることができました。
部品の購入代金としては100円得した訳ですが、その社員には1時間2000円の人件費がかかっている。という話です。
こんな話をきくと、手間暇かけて安さを追求するより、さっさと決断して、時間は有効に使った方がいいな、と思うわけです。
「お金」で早急に解決した方が、より有益な場合もあるし
「手間暇」かけて解決した方が、より有益な場合もある。
どちらの解決策を優先させるのか、常に判断をし続けていくことが大切なのだと夫の話を聞いて思いました。
新町長さんの、今回の決断については、私は大賛成です。素晴らしいと思いました。
でも、次の決断の時には、また考えをリセットして、より有益な解決策を探し続けて欲しいと思います。
| 固定リンク
「経済時評」カテゴリの記事
- ■資本主義社会の次の社会(2023.10.10)
- ■「資本主義の次に来る世界」(2023.07.24)
- ■「ペットボトル水現象は現代のチューリップ・バブル」(2023.07.06)
- ■読書の3冊目は「マルクス」(2023.03.28)
- ■ドラマ「ガラパゴス」を観て心が揺さぶられました(2023.02.15)
「行政時評」カテゴリの記事
- ■ふるさと納税制度の罪深さ(2023.01.10)
- ■行政と住民の不信感(2021.10.01)
- ■「ちょっと気になることを話し合う場サロン」も大切かもしれません(2021.07.02)
- ■自治体行政の仕事の邪魔をしているのは私たち住民かもしれません(2021.06.27)
- ■理念は現実の先にある(2020.11.02)
コメント