■城里町のみなさんから学ぶこと〔8〕
気が抜けたビールの気分ですが、もう少し続けます。
フェイスブックで、こんなコメントをもらいました。
〔A〕休日出勤と労働に対して対価を支払ったのでなければ、2000ー300=1700万円を搾取しているだけです。
同じ人から、こんな意見ももらいました。
〔B〕休日出勤で肉体労働を業務命令された職員はどう思ったのでしょうか? 労働者の側の視点が無ければ、この問題に解を出すことは難しいと思います。
「搾取」「肉体労働」「業務命令」「労働者の視点」。
私にはいずれも違和感のある言葉です。
まず〔A〕について。
もし「搾取」だとして、誰が「搾取」したのでしょうか。
役場の支出は住民の税金ですから、住民が「搾取」したことになります。
管理職の町長が「搾取」したのでしょうか。
ちなみに、町長も率先して引っ越し作業をしていたようです。
節約した経費は、誰のものになったのでしょうか。
たぶん住民でしょうが、それを「搾取」というのには違和感があります。
視点を変えて、誰が損をしたでしょうか。
引っ越し業者であり、清掃会社でしょう。
儲ける機会を失ったのですから。
彼らは、「搾取」されたのでしょうか。
まさか「搾取」する機会を奪われたわけではないでしょうが。
これまた悩ましい問題ですが、ここに実は私は「産業社会」の本質があると思っています。
「汎市場化」が進み、人の生命さえもが「商品化」あるいは「儲け」(「稼ぎ」ではありません)の対象になる以前の社会であれば、住民みんなで引っ越しを手伝ったかもしれません。
たぶん、それは楽しい「ハレ」の日になったことでしょう。
役場は、住民みんなのものですから。
そうした「働く喜び」は、もう失われてしまったのかもしれません。
〔B〕に関しては、明日にまわしたいです。
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