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2015/07/08

■節子への挽歌2828:「不安のメカニズム」

節子
よくないことが重なる時にはどんどん重なりますが、それも私の身辺だけではなく、周りにまで広がっている気がします。
高校時代の同級生の訃報が届きました。
高校時代は全く交流がなかった人ですが、ある時、私のホームページを読んで湯島にやってきました。
彼女はサイコセラピーの仕事をしていて、その活動を広げたいという相談でした。
時々、交流があり、東日本大震災の後には、現地での活動支援に関する相談にも来ました。
その後、しばらく連絡がなかったのですが、先日、突然の訃報が高校時代のメーリングリストで流れてきました。
最後に会った時も元気そうだったのですが。

他にも2つの訃報が届きました。
私が薄情なのか、感覚を失っているのかわかりませんが、なぜか悲しさは感じません。
良い人生だったのだろうかという、むしろ奇妙に冷めた感覚が浮かんできます。
私自身が、もうある境界を越えてしまったからかもしれません。
人の死を、素直に受け入れられるようになってきている気がします。
この歳になると、訃報に接することは日常的にさえなっていますので、そのせいかもしれません。

いまも死に直面している友人知人もいます。
その一人が、逆に最近の私を心配して昨日電話をくれました。
最近連絡がないが大丈夫かという電話です。
連絡がないと言っても、以前からさほど連絡をしていたことはないはずですが、それがむしろ気になりました。
彼は、数年前に心臓障害で、死を宣告されたそうです。
不安で不安でたまらない。
その時に、一冊の本を読んで、生死へのこだわりから離脱できたそうです。
本を読んだ翌日、医師から全く別人になったようだと言われたそうです。
彼はそこから抜け出て、いまも元気ですが、別の病気でいまも死とは無縁ではありません。
1時間を超える電話をしましたが、どちらがどちらを心配しているのかわからない関係で、しかもいつものように議論になってしまいました。
議論の内容は、現在の政治状況に関して、です。
私たちの世代の男性は、自分のことよりも社会のことが気になりがちなのです。

彼が読んだ本は40年以上前に出版された「不安のメカニズ」(講談社ブルーバックス)でした。
そういえば、その人から節子が借りて読んでいたのを思い出しました。
私も読んでみようと思い、ネット検索したら、絶版で、いまは中古でも12000円以上です。
ちょっと手が出ないので、図書館で探すことにしました。
この種の本がとても人気なのがよくわかりますが、それもまた社会がおかしくなっているからでしょう。

節子はよく知っていますが、私たちは楽観主義者で、あまり「不安」には縁がありません。
特に節子と一緒に暮らしていたころは、不安とは無縁でした。
力を合わせればどんな苦境も楽しくなるくらいの感覚が、私たちにはありました。
節子がいなくなってから、私は「不安」の感覚を知りました。
言葉で知っていた「不安」を、いま実感として受け止められるようになったのです。
そして、もしかしたら「私の不安」はすべて、節子や家族が引き受けてくれていたのかもしれないという気がしてきました。
気づくのが遅すぎたかもしれません。
困ったものですが、気づかないよりはいいだろうと娘から言われています。

まだ不安に満ちた状況から抜けられずにいますが、少しずつ不安との付き合い方はわかってきました。
このところ、胃腸の調子がずっとよくありません。

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