■「女性が中心になって平和を語り合うサロン」の断片的な報告
7月18日午後1時から、安保法案の強行採決への抗議デモが各地で展開されました。
国会前にも6000人(主催者発表)の人が集まったようです。
その同じ時間、湯島で「女性が中心になって平和を語り合うサロン」を開催しました。
なかなか参加者が増えず、タイミングが悪かったなと思っていましたが、
結局、女性7人、男性7人の14人の集まりになりました。
最初に手を挙げてくれたのは80代の女性ですが、このサロンのためにわざわざ京都から参加してくれました。
いつもより長い2時間半を予定していましたが、終わる気配もなく、3時間半を過ぎたところで、打ち切らざるを得ませんでした。
にもかかわらず、議論は拡散し、参加されたみなさんはまだまだ話したりなかったと思います。
この種のテーマは、話し合うことが実に難しいです。
しかし、話し合うことの大切さは、改めてみなさんも感じたと思います。
今日の集まりを直前に知って、わざわざ予定を変えて参加してくださった76歳の女性がいます。
広島近くので体験と戦後、台湾で7年間暮らした時の体験を話してくれました。
京都から来てくれた80代の女性は、自らが「軍国少女」になっていたこと、その生き方の呪縛の中に、いまも生きていることを話してくれました。
その人にとっては、昭和20年8月15日から「本当の戦い」が始まったのです。
そしていまもなお、社会の不条理に対して、個人で戦う戦争を続ける生き方から抜けられずにいると言います。
戦争は人の生き方を決めてしまう「恐ろしさ」があります。
あまりに強烈だったので、その時はうまく消化できずに、話を深めることができずに、後で後悔しました。
もう一人、やはり話したいことがあると言ってこられた女性の方は、戦後の大変さを話してくれました。
そして、戦後、大きく変わったと言われるが、学校教育の基本は何も変わっておらず、戦前とつながっているという指摘をしてくれました。
つまり、相変わらず「自分をしっかりと主張する人」が育っていないということかもしれません。
もっと、人が生きるという視点からの平和が語られると思っていたのですが、そして後から考えると、語られてもいたのですが、進行役の私自身がそれを上手く消化できずに、話が広がってしまいました。
やはりこの問題は、時間をかけて解きほぐしていかないといけないと思いました。
少し若い世代の女性たちは、違った視点で話をしてくれました。
概念的な話ではなく、いまの平和をどう守っていくか、広げていくかです。
男性たちも話し合いに入ったあとは、やはり概念論になりがちでしたが、実践的な学びの場(その方は「ラボ」という表現を使いました)が大切だというところで、生活レベルの平和と政治レベルの平和がつながったようにも感じました。
つまり、平和にとっては「学びの場」が大切だということです。
他にもいろいろと議論はありましたが、遅れてやってきた太田さんが、いつものように爆弾発言をしました。
同じことも視点が違えば、逆に見える。
それを知るだけでも人は変わるはずだと、実際に身体を使って、参加者に体験させてくれました。
太田さんの発言は、たとえば国家の自衛権への疑問(私はあるはずがないと思っていますし、国家の自衛権は人々の生活には無縁なことです)などを含めて、かなり刺激的なものでしたが、時間切れで女性のみなさんのお考えを聴き損ねました。
最後に、では私たちにできることは何かないかという話になりました。
この種の話題を話すことはあまりなかったが、やはりこうしたことをまわりの友人たちと話し合うようにしたいと40代の女性が言ってくれました。
70代の男性は、サロン終了後にですが、考えや立場の違う人と、話し合うことを増やしたいと言ってくれました。
他にもいろんな話はありましたが、それぞれできることをやっていこうという思いは強まったと思います。
デモには参加しませんでした、こういう地味な活動も、たぶんいろんなところで広がっているのでしょう。
次回の戦争反対サロンは学生を主役にしたいと思っていますが、若者たちは、デモの方が好きそうですので、なかなかメンバー集めが難しそうです。
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