■節子への挽歌2840:伴侶なき人生は巡礼のようなもの
節子
節子も知っているSさんが、会社を辞めて、またサンチャゴ巡礼に出かけます。
Sさんは以前にも歩いていますので、2回目になります。
今回は3か月かけて歩くそうです。
サンチャゴ巡礼に関しては、湯島で一度、サロンを開いたことがあります。
サンチャゴ巡礼の映画を制作したいと考えていた女流俳人の黛まどかさんが、ある人の紹介で湯島にやってきたので、その話を広げるためにサロンをやりました。
節子も、Sさんも、参加しました。
私たちも、いつかサンチャゴ・デ・コンポステーラを夫婦で歩きたいねと話していました。
私が忙しくてゆっくりと時間がとらなかったため、私たちは、四国巡礼さえもできていなかったのです。
そんなこともあって、1年間の休業を考え、毎月恒例のオープンサロンを休むことからはじめて。休業に取り組みだしました。
ところが、その直後の節子の胃がんの発見で、休業は廃業になり、人生の計画は白紙になってしまいました。
結局、四国巡礼も、熊野巡礼も、サンチャゴ巡礼も、実現しませんでした。
もっとも、その後の私は、ある意味ではずっと巡礼路を歩いている気分なのですが。
Sさんは、これまでの巡礼体験から「1グラムでも荷物は軽く、余計なものは紙1枚持たない」という教訓を得ているそうです。
Sさんは、数日おきにハガキをくれるのですが、今日のハガキに、「あるお遍路本の著者は、必要なものを見極めて選別するところから遍路は始まっていると述べていました」と書いてありました。
その意味では、Sさんのサンチャゴ巡礼はもう始まっているのでしょう。
そのハガキを読みながら気づきました。
最近私がリズムを壊したり不調になったり、不幸に襲われたりしているのは、余計な荷物を背負い込んでの巡礼だからなのかもしれません。
「1グラムでも荷物は軽く、余計なものは紙1枚持たない」
サンチャゴに旅立つ前に、Sさんと会っておかねばいけません。
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