■節子への挽歌2835:ダックスとの無言の再会
任侠の世界でドラマティックな人生を送っていたダックスが余命宣告を受けて、その通りになりました。
彼のことなので、逆境を跳ね返すかと思っていましたが、どうも無理に無理を重ねていたようです。
福井に帰ると電話してきたのが最後でした。
そしてそろそろ福井に見舞いに行こうかと思いだしたころ、訃報が来ました。
差出人のHさんは私の知らない人でしたが、その文面を見て、すぐに誰かはわかりました。
ダックスが、結婚しようと思うと言っていた人でした。
そのHさんが、ダックスの位牌を持って、訪ねてきました。
福井からやってきたのです。
Hさんから、最後のダックスの様子を聴きました。
最後までダックスらしく生きたようです。
2人の息子さんにも会えたようで、少し安堵しました。
最後のお世話からダックスの見送りまで、Hさんは中心になって頑張ったようです。
さぞかし大変だったことでしょう。
ダックスにはいろんな顔がありましたから。
東京と違って、福井では、彼はそれなりの「顔」でしたから、逆にだれもあまり手を貸してくれなかったのかもしれません。
でもダックスは、福井に帰ったのです。
そして、Hさんのおかげで、ダックスは、少なくとも最後は良い人生だったと思います。
東尋坊近くの日本海に、ダックスはいまは戻ったようです。
ダックスとの付き合いは6~7年でしたが、いろいろなことを気づかせてもらいました。
彼は、生きるためにはさまざまなことをしてきましたが、おそらくすべて後悔はしていないでしょう。
無邪気さと賢さを兼ね備えた人でした。
根が単純なので、嘘も含めてすべてお見通しでしたが、いつも男前を目指していました。
最後の約束は果たしてもらえませんでしたが、それもまあ仕方がありません。
なにしろ急でしたから。
Hさんは、端から見れば、実に献身的です。
位牌を前に、涙が止まらない感じでした。
これだけ悲しんでいる人がいるということだけでも、ダックスは良い人生だったのです。
ダックスの冥福を祈ります。
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