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2015/08/14

■「ヴァイマル憲法とヒトラー」(池田浩士著)のお薦め

今日は、私が読んで、頭をガツンとやられたほどのショックを受けた本をご紹介します。
池田浩士さんの『ヴァイマル憲法とヒトラー 戦後民主主義からファシズムへ』(岩波現代全書)です。
今年の6月に出版された本ですが、書名からドイツの話だと思い、後回しにしていたのですが、数日前に読んで、まさにいまの日本への警告書なのだと知りました。
最後の章では、かなり具体的に、まさに今の安倍政権への批判とともに、私たち日本人の生き方が、辛辣に告発されています。
70年目の敗戦記念日を迎えるにあたり、一人でも多くの人に読んでほしいと思い、紹介させてもらうことにしました。

内容は読んでもらうしかないのですが、本書の紹介文にはこう書かれています。

第一次世界大戦後の戦後民主主義を体現するヴァイマル憲法下で、ヒトラーは人心を掌握し、合法的に荒権を獲得した。ドイツ国民を魅了したナチズムの本質を抉り出し、新たなファシズムの到来に警鐘を鳴らす。

まさに、そういう本です。
著者は、「ヒトラーとナチスが憲法を踏みにじっただけでなく、ドイツ国民がヴァイマル憲法を揉欄していたのです」と明言します。
その一因をドイツ国民のなかに深く根付いていた「臣民」の習性に見ます。
そして、日本の憲法もまた、そうした「臣民根性」が根底に持っているというのです。
しかも、その臣民根性は、いまなお脱却できていないことが示唆されています。
そうしたことが、具体的にわかりやすく書かれています。
敗戦40周年にあたって有名な演説をしたヴァイツゼッカー大統領も、厳しく告発されています。

しかし、著者が警鐘を鳴らす相手は言うまでもなく、私たち、現在の日本に生きている私たちです。
いまの日本の政治状況は、ヒトラーでさえできなかったことをやっていると指摘します。
そして、国民はそれを見逃している。
たとえば、こういうのです。

あの破局的な原発事故にもかかわらず、原発の再稼働を強行するというような、もしも政府が原発資本の利益よりも国民の安全と人権を尊重していれば到底できないようなことは、ヒトラーにはできませんでした。

これだけ取り出すと違和感があるかもしれませんが、本書を読めば、その違和感はなくなるかもしれません。

では私たちはどうすればいいのか。
著者は、日本国憲法第12条に、その答えがあると言います。
第12条の前半にはこう書かれています。
「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」。
つまり、私たち自身も憲法によって重い義務を課せられています。
憲法は、為政者だけに義務を与えているのではないのです。
私たちは、臣民ではなく、主権者なのですから。

私たちは、立ち止まり、見て、感じて考える、その感性をもつことが必要だ。
しかし、それはひとりではできない、共にある「他者」を必要とすると著者は書いています。

私もそういう思いで、湯島で毎週のようにカフェサロンをやっています。
明日の15日は、憲法違反は死罪にあたるという、いささか物騒なテーマでカフェサロンを開催します。
私は死刑は反対ですが、憲法違反を看過してきた私たちも、死罪にあたるのかもしれません。
よかったらご参加ください。
案内は下記にあります。
http://homepage2.nifty.com/CWS/info1.htm#150815

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