■先祖が営々と育ててきた社会的装置(コモンズ)が壊されていいのか
昨夜の里山サロンは、9人が集まりました。
ナチュラリストの木村さんが参加してくれたのは感激でした。
お会いするのは10年ぶりでしょうか。
宮田さんが最近保安林の問題に関わりだしたのを契機に、入会地やコモンズのテーマにぶつかったようで、そこから見えてきた問題をいろいろと話してくれました。
1年前に起こった広島の土砂災害も、入会地やコモンズとしての里山の問題に深くつながっています。
保安林で言えば、宮田さんは生活を管理する統治者の植林と生活に立脚した農民の植林(これを宮田さんは「農民的植林」と名付けました)の違いを実例を見せてくれながら説明してくれました。
農民的植林。非常に示唆に富む言葉です。
もしかしたらここに「コモンズ」の本質を解くヒントがあるような気がします。
さらにコモンズとしての神社や水路の話にも広がりました。
コミュニティの話も出ましたが、コミュニティとは「人と人のつながり」だけではなく「人と自然のつながり」という視点も入れなければいけないことを改めて実感しました。
私たちは、長い歴史をかけて、自らの生活を支える膨大な社会的装置(コモンズ)を育ててきました。
「水田」はそのひとつです。
若林さんが、埼玉の見沼田んぼでの市民活動の話を少し紹介してくれましたが、そこからも自然こそが世代を超えて、人をつなげていく装置であることがわかります。
そうした「みんなのもの」を一時の利益を求めて、誰かが処分してしまうようになった、いまの社会は、そして私たちの生き方は、やはり考え直す必要があります。
鳥獣被害の話も出ました。
昨今の環境保護活動は、私にはやはり違和感があります。
対症療法ではなく、私たちの生き方から考えていいくことが求められているように思えてなりません。
このテーマは、いつかナチュラリストの木村さんにサロンをしてほしいと思っています。
いつもながら、実践を重ねての宮田さんのお話には、刺激を受けます。
粗雑な報告しかできないのがとても残念です。
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