■敵対しているのは、決して「人と人」ではない
10日ほど前の話ですが、今朝のテレビで知って、とてもうれしかったので、紹介させてもらいます。
8月29日、宮崎県高千穂町で、住民有志でつくる「五ヶ所平和祈念碑奉賛会」主催の慰霊祭が行われたそうです。
慰霊されるのは、70年前の終戦前後、高千穂町内の山中に相次いで墜落した旧日本軍と米軍の航空機の搭乗員です。
墜落したのは、日本の陸軍戦闘機「隼」と米軍爆撃機B29です。
隼戦闘機は、終戦直前の8月7日、訓練中の事故でした。
B29は、終戦まもない8月30日、福岡の連合国軍捕虜収容所に補給物資を投下する途中に事故でした。
事故のあった当時、地元の人たちは、両者の遺体を分け隔てなく丁寧に埋葬し、若者たちの死を悼みました。
その後、この2つの悲劇は長い間忘れられていたが、1989年に登山家がB29の残骸を見つけたのをきっかけに史実の掘り起こしが始まり、住民は募金活動をし、戦後50周年の95年に2つの事故の犠牲者を慰霊するために平和祈念碑を建立。
結成した奉賛会が毎年慰霊祭を開いてきているのだそうです。
戦後70年を迎えた今年は、20年ぶりに米国側の遺族も招待されたそうです。
式典には遺族や地元の人たち約100人が出席。
慰霊祭後に記念撮影した日米の遺族らは不戦を誓い合ったと言います。
国を超えて、人として悼む。
未来の展望が明るくなるような、いい話です。
敵対しているのは、決して、「人と人」ではないのです。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/191881
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