■節子への挽歌2936:サンピエール修道院
節子
サンチアゴ巡礼中の鈴木さんから、初めてのハガキが届きました。
歩き出したから、間もなく1か月ですが、フランスのモワサックから出状されています。
回廊で有名なサンピエール修道院のあるところだそうですが、残念ながらサンピエール修道院については知識が皆無です。
それでネットで調べてみました。
http://izmreise.la.coocan.jp/France/Romanesque/Moissac/Portail/moissac_portail.html
素晴らしい回廊で、柱頭彫刻も見事です。
一度、巡礼路を歩くと、また歩きたくなってしまうという理由が少しわかりました。
単なる観光とはやはり違った感動があるのでしょう。
観光として行ったら、たぶんこうした柱頭彫刻とは会話はできないでしょうが、巡礼者にはたぶん話しかけてくるに違いない。
そんな気がします。
サンピエール修道院の写真を見ていて、イランのイスファハンのイマーム広場を思い出しました。
あれが節子との最後の海外旅行になりました。
鈴木さんは、フランスの LE PUY から歩き出して、もう400キロは歩いたそうです。
毎日、いろいろな人と会い、また別れていく。
旅、巡礼は人生の縮図であると感じるときがたびたびあります。
と書いてありました。
濃密な人生体験をしているようです。
出会う事柄の密度においては、たぶん巡礼よりも世俗での日常の方が多種多様でだと思いますが、日常生活では事件が多すぎて、人生が見えなくなっているのかもしれません。
そういう意味では、巡礼の日常はたぶん人生の感度を高めてくれるのでしょう。
巡礼は、人生としっかりと向き合う旅なのかもしれません。
毎日の風景が全く違っている。
時間と文化がしみ込んだサンピエール修道院のようなところで、自分を相対化してみると、もしかするとまったく気づかなかった自分に気づくかもしれません。
帰国後に、鈴木さんに会うのが楽しみです。
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