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2015/10/25

■カフェサロン「子どもの現在を考える」シリーズ第1回の報告

昨日、湯島で、「子どもの現在を考える」シリーズ第1回のカフェサロンを開催しました。
日本子どもNPOセンターの専務理事の立柳さんに、先月発表した「子どもNPO白書2015」の取りまとめで考えたことなどを話してもらい、参加者で話し合いました。
立柳さんと一緒に白書をまとめた上野さんや編集者の杉山さんも参加してくれ、総勢15人の参加者がありました。
実に多彩な立場の方が参加してくれました。
なかには山梨から参加してくださった方もいます。
「子どもNPO白書2015」については、別途簡単な紹介をしておきましたので、ご関心があればお読みください。
http://homepage2.nifty.com/CWS/books.htm#150913

立柳さんは、この白書をまとめて感じたいくつかの気づきを話してくださいました。
ひとつは、子どもを取り巻くさまざまな問題に個別に取り組んでいる人は多いですが、子どもの世界全体を観ている人が意外に少ないということです。
全体像が、なかなか見えてこない。
これは、福祉や環境問題全体についても言えることだろうと思います。
社会はさまざまな問題が絡み合って成り立っていますから、高齢者介護、情報社会化、まちづくりなどの問題との繋がりの中で見えてくる「子どもの問題」もあるでしょうし、逆に「子どもの現在」から、そうした問題の新しい側面が見えてくるかもしれません。
たまたま、前日に高齢者分野で施設展開している人が相談に来ましたが、「子どもの問題」にも視野を広げて考えると新しい解決策が見えてくるかもしれないと話したところでした。
社会の問題は、さまざまな問題のつながりや関係性の中で考えていくことが効果的です。
そのためには、その分野の実践者だけではなく、さまざまな立場の人が触れ合う場がもっと増えていってほしいと思います。

「子ども」は社会のさまざまな問題が凝縮されている存在かもしれません。
子どものかかえる問題からは、社会の実相が見えるような気がします。
そもそも「子どもNPO」ってなんだという話も出ました。
そこにはさまざまなテーマや課題が含まれていて、一括できないのではないかということかもしれません。
しかし、だからこそ、「子どもNPO」という捉え方に、私は意味を感じます。
縦割り社会で個別問題解決志向の強いいまの社会であればこそ、あらゆる問題につながっている
「子ども」の切り口から、社会を考えていくことが大切だと思います。
それに、立柳さんがお話してくれたように、「未来を託せるのは子ども」なのです。
子育てを終わった世代の人たちは、その思いから参加してくださったのだろうと思います。
子どもの視点に立って、未来を見ていくことは大切な事だろうと思います。

学童保育にも実際に関わっている上野さんは、子どもの遊びが大人によって「ルール化」されていることを紹介してくれました。
子供を大人がつくった「枠」にはめ込もうという「管理思想」が強まっているわけです。
子どものためという思いが子どもを抑圧しているという話もありました。
ここでも、「子どもNPO」の本質が問われています。
もしかしたら、福祉の本質にかかわることかもしれません。
NPOに関わっていると、いったい誰のための活動なのかと思わされることも少なくありません。
ちなみに、立柳さんたちは、「子育て」ではなく「子育ち」という視点で、子どもたちの主体性や尊厳をとても尊重した活動をずっとされています。

最近の子どもたちは、大人たちが決めたルールと自分たち(あるいは自分)のルールの「ダブルスタンダード」で生きているという話もありました。
いまや子どもも、「素直に」生きていけない、実に窮屈ですみにくい時代なのかもしれません。
子どもたちが、自分の主体性や自分の考えを育てるのではなく、それが摘み取られていく状況に、置かれているとしたら、未来はどうなっていくのでしょうか。
この問題は、「子どもNPO」の大きな課題だろうと思います。

ところで、蛇足ですが、「漢字テストのふしぎ」というビデオがあります。
19分で長いですが、よかったらぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=FvdIbH0qtu4

子どもNPOは、資金的にも難しいという話もありました。
「子どもの貧困」と「子どもNPO」の財政的困難さは、実はつながっているのかもしれません。
しかし、だからこそ、そこに新しい社会のあり方の芽があるかもしれないと私は思っているのですが(つまりマネタリーエコノミーから抜け出す契機がある)、話がややこしくなるので、今回は発言を差し控えました。

ほかにもさまざまな論点が出されましたが、私自身、たくさんの気づきをもらいました。
土曜日の研修会には行政の人は参加してくれないという「嘆きの発言」もありましたが(まったく同感です)、行政の人や学校関係者にも、ぜひ参加してほしいサロンでした。

出版元のエイデル研究所の杉山さんが10冊持ってきてくださった白書は参加者のみなさんによって完売しました。
それだけでもうれしいことです。
この記事を読んだ方も、よかったらぜひ読んでみてください。
内容のとても濃い本です。

次回は、視点を変えて、学習塾などを通して、子どもたちに長年個人として関わっている、小出陽子さんに話題提供していただきます。
11月21日(土曜日)の午後を予定しています。
ぜひご参加ください。
驚かされる話がたくさん聞けるはずです。
20151024


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