■節子への挽歌2950:再会のためにしておくこと
節子
久しぶりに湯島で一人で過ごしています。
今日は来客もなく、ゆったりしています。
天気がよかったら、上野まで足を延ばして、東京国立博物館の聖観音に会いに行こうかと思っていたのですが、どうも午後から雨になりそうなので、早目に帰ろうかと思います。
雨が降るのであれば、ベランダの草にも水をやる必要もなく、来なくてもよかったなと気づきましたが、たまには「ひとりの湯島」もいいでしょう。
金子由香利のシャンソンのCD「ベストテン」を聴きました。
節子がいなくなってから、この曲が大好きになりました。
聴いていたのは、「再会」です。
ご存知の方も多いでしょうが、いろんな歌手が、それぞれ豊かに歌いこんでいる曲です。
はじまりはこんな感じです。
あら ボンジュール 久しぶりね その後 お変わりなくて あれからどのくらいかしら。あなたは元気そうね
え! わたし、変わったでしょ
あれから旅をしたの
いろんな国を見てきたわ
すこし大人になったわ
つまり、別れた「恋人」に偶然出会った哀しさの歌です。
哀しさではなく、歓びというべきでしょうか。
なにしろ「再会」できたのですから。
そういえば、「シェルブールの雨傘」というミュージカルもありました。
ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの「ひまわり」という映画もありました。
いずれも節子と観に行った映画です。
お互いに、当時は別れた恋人がいて、少しだけリアリティがありました。
ちなみに、いま「再会」を聴いて、私が感ずるのは、以前の恋人に会いたいということではありません。
あまり論理的ではないのですが、節子も私も、旅をしなかったということです。
少しも「大人」にならないままに、一緒に暮らし始めてしまった。
その結果、結局、最後まで2人とも「大人」になれなかった。
だから、節子にもたくさんの苦労をさせてしまったのかもしれません。
彼岸で、節子と「再会」した時に、お互いに少し「大人」になったね、と言い合えるようにしたいと思っています。
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