■カフェサロン「韓国での兵役体験を聴く」の報告
今日のカフェサロン「韓国での兵役体験を聴く」は、会場があふれるのではないかと危惧していたのですが、三連休のど真ん中のせいか、残念ながら10人の参加にとどまりました。
韓国での徴兵制度のもとで、2年間の兵役を体験してきた、留学生の林(リム)さんのお話は、とても興味深いものがありました。
韓国では徴兵制度があるとは知っていましたが、その内容に関して、具体的にお話を聞くのは初めてのことでした。
私には知らないことばかりでした。
それに、リムさんは、自らの主観的評価も含めて、ありのままに語ってくれましたので、考えさせられることがたくさんありました。
リムさんは、兵役体験はよかったと総括しています。
2年間の兵役義務期間に、2等兵から上等兵を経て、兵長までを体験するのだそうですが、それは短期間に組織での働き方や生き方を学ぶことでもあります。
ある意味で、人生のシミュレーションと言ってもいいのかもしれません。
リムさんに限らず、2年間の義務兵役体験で、社会人としての適応能力と「考え方」がきっちりと植え付けられるようです。
リムさんは、この2年間で、「ほう・れん・そう」(報告・連絡・相談)の大切さがわかり、それが身についたことだけでもよかったと言っています。
軍隊の持つ、対外的な攻撃抑止力(戦争対策)以外の効用を強く感じました。
もしかしたら、韓国の経済成長を支えてきたのは、徴兵制度を通した「人づくり」ではなかったのかとさえ感じました。
ちなみに、今回のリムさんの体験談からは、韓国の軍隊には人間的で柔軟な要素があるようにさえ感じました。
日本との関係もいろいろと話してくれました。
日本政府に対する不信感はあるものの、それはそのまま、日本人への不信感にはつながっていないということも話してくれました。
この辺りは、微妙なところなので、中途半端な報告はやめます。
今回は、日韓関係に深い関心をお持ちの方も参加していましたが、さまざまな質問に対して、リムさんがすべて答えていたのに、私はとても感心しました。
果たして今の日本の若者たちに、こうした会話ができるでしょうか。
最近では、日本がアメリカと戦争したことさえ知らない若者が増えているとも聞いています。
しかし、韓国は学校で近現代史をしっかりと学ぶそうです。
日本とは大違いです。
国会デモに参加している若者たちは、どれだけ日本の近現代史を学んでいるのか。
そこに、私は、最近の動きの危うさを感じています。
参加者からの指摘やお話も、とても触発されるものがありました。
それも含めて、もっと多くの人たちに聴いてほしかったと、思いました。
あまり人数が増えて公開型になると、リムさんも話しにくいかもしれませんが、安保法制に賛成であろうと反対であろうと、韓国の徴兵制の話から学ぶことはたくさんあります。
もし関心を持ってくださる人がいたら、ぜひリムさんを講師に呼んで話を聞いて下さい。
そして韓国の若者たちとぜひ触れ合ってほしいと思います。
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