■カフェサロン「TPPと共済」の報告
昨日の「TPPと共済」をテーマにしたサロンは、参加者は7人と少なかったのですが、議論は実に刺激的で、かなりの激論になる場面もありました。
というのも、「共済」に関してほとんど知らない参加者もいたおかげです。
知らないが故に気づくことの大切さを改めて実感しました。
関係者だけではなく、さまざまな人が参加する話の場は、やはり学ぶことが多いです。
問題提起者の佐々木さんの話はかなり「根本問題」に触れるもので、「成長」とは何か「生産性」とは何かということまで言及されました。
佐々木さんは、TPPによって日本の風景が変わってくるのではないかと指摘されましたが、もしかしたらすでにもう変わりつつあるのかもしれません。
しかし、変わることが悪いことなのか、という問題も出されました。
これも悩ましい問題です。
共済と保険はどこが違うのかに関しても、いろいろな視点が出されました。
共済は、金融事業か社会制度かという話もありました。
TPPも単に経済問題ではなく、ましてや関税の話ではなく、文化や生き方の話だろうと思いますが、TPPの実体がブラックボックスに入ったままに、議論が進んでいるというのが実状です。
不思議な話ですが、考えてみれば、最近はそういうことがたくさんあるように思います。
「共済」も、保険との違いさえあまり議論されないままに、保険の世界に取り込まれつつあります。
予定の時間をかなり超えましたが、次々と発言が出てきて、これはもう合宿でもしないといけないなという感じでした。
最後に、「で、どうしたらいいでしょう」ということになったのですが、残念ながら妙案は出てきません。
できるところで、各自が前に進むしかないのかもしれませんが、伊藤さんの生活クラブ共済連の取り組みなどに期待するとともに、「共済」という考えをもっと多くの人に知ってもらうことが大切ではないかと思います。
ちなみに、昨日も話題になりましたが、生活クラブには「エッコロ共済」というのがあります。
http://kanagawa.seikatsuclub.coop/care/kyosai/post_2.html
同時に、共済に取り組む人たちには、もっと「誇り」を持ってほしいと思います。
「共済の思想」は、人々の暮らしの中から生まれ育ってきたものです。
現在の日本の保険や共済は、明治期以前の無尽講や頼母子講、もやいなどとはつながっていない近代のものだと言う人もいますが、そんなことはありません。
経済はその地域の中で育っていくものですし、その主役は普通の生活者でなければいけません。
幸いに、日本では、その「共済の思想」や「仕組み」がまだ残っているように思います。
最近、「助け合い」とか「支え合い」、あるいは「共助」などということがよく言われますが、日本の歴史や文化の中にある「共済の思想」に学ぶことはたくさんあります。
それをつぶそうとしているのが、TPPかもしれません。
そもそも「自由貿易」などというのは、多様な生活文化を無視した話です。
話し合いの内容がきちんと報告できないのが、ちょっと残念ですが、湯島のサロンは、情報ではなく、ライブに話し合うことに価値を置いていますので、いつもながらの雰囲気的な報告になってしまいました。
それもかなり主観的な。
このテーマは、継続していきたいと思いました。
どなたか問題提起したいという方がいたら、大歓迎です。
ご連絡いただければ、うれしいです。
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