■カフェサロン「民主主義ってなんだろう」の勝手な報告
カフェサロン「民主主義ってなんだろう」の参加者は5人でした。
残念ながら若い世代の参加はありませんでした。
その上、みんな一家言ある人ばかりだったので、軽い感じの雑談会にはならずに、かなり密度の濃い話し合いになってしまいました。
録音しておけばよかったです。
最初に究極的民主主義研究所の武田さんが、民主主義とはという問題提起をしてくれ、そこから参加者の「自分が考える民主主義」が語られました。
20年ぶりに湯島のサロンに参加してくれた坪田さんは、ドイツのドキュメンタリー映画「シェーナウの想い」の話から始めました。
https://www.youtube.com/watch?v=KD_2CAAA9gs
そして、民主主義の反対概念は独裁だと指摘し、循環する権力の話をしてくれました。
太田さんは、子ども時代の「民主的でない」と言われた体験を話してくれました。
そして、権力と情報について話しました。いつもながら本質的な問題的でした。
坪倉さんは、アテネの話も含めて、「個人の主体性」に言及されました。
民主主義の主体の問題です。
小林さんは、「効率」の問題にも触れながら、「話し合いの場」について話してくれました。
私は、武田さんの民主主義は決定手段ということに対して、なんで決めなくてはいけないのかと発言しました。
まあ、いろいろな議論が出ましたが、生活用語風にまとめると、こんな感じでしょうか。
「みんなが自分の意志で行動できること」
「それぞれが自分の思いを主張できること」
「おかしいことをおかしいといえ、本音で話し合える場所があること」
「それぞれの生き方を尊重すること」
表現は少し違いますが、不思議にもほぼ一致しました。
なにやらこれが民主主義の実体だとすれば、昨今の日本は民主主義からどんどん遠ざかっていることになります。
デモクラシーを民主主義と訳したおかげで、日本では混乱と理念化が進みました。
デモクラシーは制度や決定手段の問題ですが、民主主義はイズム(理念)や思想の問題です。
そこからさらに、運動としての民主主義、状況としての民主主義というものが生まれてきます。
制度、手段、理念、思想、運動、状況…、日本ではさまざまな民主主義論が展開できるわけです。
ポストデモクラシーの動きやマルチチュードの議論にも行きつくわけです。
また今回は深入りできませんでしたが、平等の問題や情報の問題もあります。
ちなみに、安倍さんの民主主義論もあるということも話題にはなりました。
民主主義の行き着くところは独裁政治だという話もありました。
書きだすときりがないですね。
最後は少し政策の話や制度の話にもなりましたが、これは次回以降のテーマになるでしょう。
小林さんが、とても面白かった、公開の場でこういう話し合いをしたいと言いました。
私もそう思いました。
参加していた人からは、大事な事がなにも報告されていないではないかと言われそうですが、気が向いたら補足してください。
しかし、「民主主義」って、実に多様な顔と力を持っていることを、改めて考えさせてもらいました。
次回からは、武田さんの「民主主義進化論」をテキストに、少し制度論的な議論をやろうかと思いますが、できればまた「民主主義ってなんだろうか」を生活用語で語る話し合いも定期的にやりたいと思います。
そういう会をやりたい人が5人集まったら、パート2を開催しますので、希望者がいたら、ご連絡ください。
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