■戦争と平和を考える蛇足:恐ろしい未来への不安
蛇足を追加します。
イラクヘの自衛隊派遣では日本の自衛隊員は一人も殺されることなく、またひとりも殺すことなく、任務を終えたといわれています。
たぶんそれは事実でしょう。
しかし、その後の報道によれば、イラクに派遣された自衛隊員延べ1万人のうち、30人前後が帰国後、自殺していると報道されています。
アメリカにおいても、ベトナム戦争での精神的後遺症の多さは話題にされ、それがアメリカ社会を変質させたとも考えられます。
こうしたことはもっとしっかりと認識されるべきでしょう。
人は戦場で肉体的に殺傷されるだけではないのです。
もしかしたら、昨今の日本社会は、ある意味での「戦場状況」なのかもしれません。
第二次世界大戦後、戦場で戦った元兵士たちは、帰還後多くを語らずに、最近になってようやく重い口を開きだした人もいます。
戦争と平和の問題は、一筋縄ではいきません。
先日放映された「新・映像の世紀」はヒトラーのナチスドイツが中心でした。
戦後解放された強制収容所の実情をドイツ人は見学させられました。
事実を突きつけられたドイツ人は「知らなかった」と言いました。
それに対して解放された人たちは、怒りを込めて叫んだそうです。
「あなたたちは知っていた」
私の未来を見ているような気がしました。
見学者になるか、解放された被収容者になるか。
できればそのいずれにもなりたくはありません。
しかし、どうもそれが許されないところまで来ているのかもしれません。
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