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2016/02/28

■「みんなの社会教育ってなんだろう」

昨日、「みんなの社会教育ってなんだろう」というテーマに、ミニ公開フォーラムを開催しました。
30人ほどの人が集まりました。
話し合いのベースをつくるために、2人の友人にお願いして、パネルディスカッション的な話し合いをしました。
その冒頭と最後に、私が話したことを、少し補足して書いておきます。
「みんなの社会教育」に込める私の思いをわかってもらえるとうれしいです。

これまでの社会教育は、統治視点からの行政主導の「与える社会教育・与えられる社会教育」、「国民の意識を高める(国民教化)ための教育型の活動」が中心でした。
しかし、社会がここまで成熟し、人々の意識や生き方が変わってきている中で、そろそろそうしたあり方を見直し、むしろ方向性を逆転させて、私たち生活者一人ひとりが主役になって、「お互いに学び合う社会教育」「まちや社会を自分たちで育てていく社会創造型の活動」にしていく段階に来ているのではないかと思います。
それは同時に、私たち一人ひとりの社会性や市民性を高めていくことでもあります。

「社会教育」というと、かなり固いイメージがあって、どうしても行政がやることと思われがちです。
今回の集まりも、NPO関係やまちづくりに関わっている人たちにも案内しましたが、自分たちとはあんまり関係ない世界の話だという反応が少なくありませんでした。
しかし、そうではないのではないか、と私は思っています。
NPO活動の意義は、個別課題の解決はもちろんですが、同時に参加者の市民性や社会性を高めることだと言われています。
もしそうならば、NPO活動やボランティア活動もまた、社会教育活動と言ってもいい。
まちづくりにとっても、主役はまちをつくっている住民です。
施設や道路や制度をつくるのが、まちづくりだった時代はもう終わっています。
だとしたら、その住民たちの意識や生き方、言い方を変えれば、社会性や市民性が一番大切です。
そこでも社会教育は重要なテーマになるはずです。

さまざまな社会問題が広がっていて、社会の劣化ということが問題になってきているいま、改めて社会教育ってなんだろうと考えてみることはとても大切なような気がします。

なぜ、「社会教育」という言葉にこだわるのか。
それは、改めて「社会」や「教育」という概念が重要になってきていると思うからです。
いずれもあまりにわかりきった言葉なのですが、あまりしっかりと考える人はいません。
私は、社会を「人のつながり」と考え、教育を「自分の発見」と捉えています。
社会は、そこにあるものではなく、自分たちで育てていくもの。
教育は、教えられることではなく、自分のちから(いのち、あるいは価値)を育てること。
そう考えています。
その視点から言えば、いまの学校は「反教育」ですし、いまの社会は「反社会」です。
(ここまでは今回は話しませんでしたが)

社会教育にとって、社会こそが学びのすべてです。
そして、大人も子供も含めて、私たち一人ひとりが主役です。
言い換えれば、この社会をつくっている私たち一人ひとりの責務です。
しかも、それは一人では完結しません。
学びとは、人とのつながり、自然とのつながり、過去や未来とのつながりのなかで行われるからです。
学びは必然的に「学び合い」になり、人のつながりを育て、まちを育てていくはずです。
社会教育を、政府や専門家に任せるのではなく、私たちが主役になるようにスキームを変えていくことが大切です。
社会教育を創りだす責任は、私たちにあるのです。

そういう視点で、改めて「社会教育」をデザインしなおしていきたいと思っています。
そうしたことを進めていくためにも、実践者のゆるやかなネットワーク、学び合いのネットワークを育てていきたいのです。
もちろん、これまでのスタイルの「社会教育」を否定する必要はありません。
そうした人たちとも、役割分担していくことが大事です。
しかし、みんな対等な立場でなければいけません。
その基本だけは、私には譲れないところですが、そこがまた「みんなの活動」を進めていくときの最大の難事なのです。

こうした思いに賛同してくれる人がいたら、ぜひともご連絡ください。
一緒にゆるやかな活動に取り組めればと思います。


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