■節子への挽歌3185:久しぶりの西福寺
節子
西福寺に行ってきました。
敦賀の西福寺は、私の好きなお寺のひとつです。
訪れる人がそう多くはないため、観光寺院になっていないのが気にいっています。
しかしここはかつては「腰の秀嶺」と言われた勅願寺なのです。
節子とは何回か来ていますが、節子がいなくなってからも一度来ました。
その時は、回廊の工事をやっていました。
この回廊は極楽浄土への往生路ともいわれていますが、実際に歩けます。
阿弥陀堂では何かの法要が、また書院では句会が行われていました。
庭でも何かの集まりがあったようで、席がこしらえてありました。
西福寺は、いまなお地元住民たちとしっかりつながっていて、生きた空間であることを感じます。
観光寺院には、そういうやさしさを感ずることは少ないのですが。
本堂には法然聖人の坐像はありますが、残念ながら本尊はありません。
須弥壇の四方の柱に、四天王の名前が書かれた紙が無造作に貼られています。
それがまた実にいいのです。
西福寺には山門の前に総門というのがあり、なぜかその門の中の両側にベンチがあります。
西福寺に来る前に立ち寄ったケーキ屋さんで買ったケーキをそこでたべることにしました。
姉はお寺で食べようと言ったのですが、いささか不謹慎ではないかということになり、そうなったのです。
門の前を通る人には異様な光景だったでしょう。
その後、庭を見せてもらったのですが、お茶とお菓子までいただきました。
門のところで食べるよりも、書院の縁側で庭園を見ながら食べればよかったです。
でもまあお寺の門で3人並んでケーキを食べた体験も忘れられない記憶になるでしょう。
節子は彼岸で笑っていたかもしれません。
庭でやっていたのは、芭蕉の弟子の曽良の命日にちなんだ「五月雨忌」だと知りました。
曽良はここに立ち寄ったのだそうです。
雨が降らない時には、外で営まれるのだそうです。
西福寺も、たぶん今回が最後でしょう。
そう思って今日は庭園も一回りしてきました。
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