■イギリスの悲喜劇は日本では起こらないだろうか
イギリスの国民投票によるEU離脱は、悲喜劇としか言いようがありません。
ジョンソンという政治屋の詐欺にあったとしか言いようがないでしょう。
EUを離脱すればEUに払っていた週あたり3億5000万ポンドの予算が浮くので、これを国民の保健サービスに回せるという、離脱派の公約が嘘だったことも判明しました。
事実を知らせずに、甘いことばで相手をその気にさせるという手法は、権力政治の常とう手段です。
離脱が決まった後、「EUって何だ」というネット検索が増えたという話は喜劇以外の何物でもありません。
みんなEUの意味も知らずに、離脱しようと考えたのです。
さすが、7つの海に船出したイギリス人の勇気は見上げたものですが、その代償は大きいかもしれません。
しかし、これはイギリスだけの話ではありません。
同じような動きが、アメリカでも起こっています。
トランプさんが大統領になるかもしれないという見方が日本でも広がっていますが、そんなことがあるはずはないと私は思っています。
イギリスに比べれば、アメリカの民主度は少しばかり高いと思っているからです。
イギリスでは、オルテガの言う「大衆の反乱」は起こり得ても、アメリカでは起こりようがないでしょう。
では日本はどうか。
日本は民度の高い国だと私はずっと思っていましたが、この数年の様子を見ていると、それは間違いだったかもしれません。
小泉郵政選挙は、まさに今回のイギリスのEU投票と同じでした。
以来、日本は変わった気がします。
投票した後、「EUって何だ」と騒ぎ立てるような国民になってしまった気がします。
郵政民営化を思い出せば、納得してもらえるでしょう。
あれで私たちはどれほどのものを失ったのか。
その評価さえ行われていません。
そしてTPPさえ国民は支持しているのです。
イギリス人を笑うわけにはいきません。
今度の参議院選挙は、後世の日本人から問われる選挙になるでしょう。
きちんと考えて投票したいと思います。
せめて18~19歳の若者たちと同じ程度には誠実に考える人が増えるといいなと思っています。
イギリスの悲喜劇を他山の石として。
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