■日本はすでにこれまでとは違う道を歩みだしている
バングラデシュのレストラン襲撃テロ事件で、日本人7人が犠牲になりました。
とても残念な事件でした。
いろんなことを考えさせられました。
バングラデシュがパキスタンから独立する時に、私もあるグループにささやかな資金支援をし、そのグループからニューズレターを送ってもらっていたことを思いだします。
当時、1970年前後の世界は、まだたくさんの選択肢がありました。
新しい動きに、私自身は大きな夢を感じていました。
しかし、その頃、すでに世界は壊れだしていたのでしょう。
いや、第二次世界大戦からの復興が変質しだしていたというべきかもしれません。
1970年代後半から、私のような者にも、それが感じられだしました。
バングラデシュのテロ事件の報道を見ていて、気になることがあります。
テロへの批判ばかりが多くて、なぜテロが起こったのか、なぜ日本人が巻き込まれたのかということへの議論が表層的な気がするのです。
今回はJICAの関係者が被害に遭ったわけですが、それに関しても「JICAはバングラデシュのために働いてきたのに」という声が多いです。
こういう言葉はよく聞きますが、「バングラデシュのため」とはいったい何なのだろうかと思います。
今回テロを起こしたグループの人たちも、そう思っていたのか。
ここに大きな溝と落とし穴を感じます。
「日本人なら無害は過去の話」だと多くの評論家は発言していますが、後藤健二さんが殺害された時のISのメッセージ、「アベよ、戦いに参加するというおまえの無謀な決断でこのナイフはケンジを殺すだけでなく、おまえの国民を場所を問わずに殺戮する」を思い出します。
この言葉の意味を、私たちはもっと真剣に考えなければいけません。
7月10日は、参議院選挙です。
現実をしっかりと見ながら、真剣に考えて投票したいと思います。
イギリス国民のような後悔はしたくはありません。
目先の感情に振り回されたくはありません。
犠牲になった人たちへの追悼の念を持ちながらも、複雑な思いが去来しています。
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