■思想への共感と言動への共感
都知事選の立候補者がにぎわってきました。
しかしその様子を見ていて、とても情けない気分になります。
今ごろでてくるなと言いたくなるのです。
後出しがいいとかいう話がありますが、いかにも姑息な議論です。
そして姑息な議論を語っていた自民党も民進党も惨めな結果になりました。
私は、小池さんのこれまでの政治思想には好感が持てません。
ですから、小池さんが都知事になることにはあまり良い気はしていません。
フェイスブックに、小池さんが都知事になるのは私にとっては最悪のケースだと書いたら、なぜ最悪なのかと友人から指摘がありました。
そこでいろいろと考えましたが、明確に応えられませんでした。
自民党員だからでしょうか、なぜかこれまで良い印象が皆無でした。
しかし、これもフェイスブックにも書きましたが、小池さんの戦い方は見事でした。
アラモの戦いを始めた時のトラヴィス大佐を思い出します。
その後の言動も、ほれぼれするほどです。
小池さんへの嫌悪感は強まっているのですが、その言動は見事な戦いぶりです。
石原さんは完全にコケにされていますし、増田さんも小さく見えます。
まあ、これは私の独断的印象ですが。
民進党は岡田さんと松原さんの不協和音があまりにみっともなく、結局はビジョンを持たない烏合の衆であることをさらけ出しました。
その後の動きも、あまりにお粗末です。
そんな中で石田さんと宇都宮さんが立候補の意向を出しました。
石田さんは、民進党に対する「いらだち」だった気がしますが、野党4党がもっと真剣に取り組んでいれば、宇都宮さんは立候補しなかったかもしれません。
宇都宮さんが出馬表明した段階で、野党4党の統一候補はなくなりました。
そして昨日になって古賀さんや鳥越さんの名前が出て、鳥越さんが立候補しました。
しかし、戦いはすでに終わっているように思います。
いまさらなんで出てきたのか理解できません。
私は鳥越さんも、ある理由で好きになれないせいかもしれませんが、全体が見えていない気がします。
いずれにしろ、新しい都知事は小池さんになるでしょう。
実に悩ましい。
小池さんは、その思想や政策において、私は共感できません。
しかし、今回の戦い方にはとても共感できます。
「敵ながらあっぱれ」という言葉がありますが、まさにそんな感じです。
人が誰かを選ぶ時、思想への共感と言動への共感のいずれが大きな影響を与えるでしょうか。
いまの私は、後者が決め手になりそうです。
もしかしたら、多くの人はそうなのかもしれません。
これは、今回の選挙結果を考える時にも、重要なポイントかもしれません。
私は福島瑞穂さんの考えにほぼすべて共感できますが、どうもあの言動には違和感があります。
小沢一郎さんの政治思想や政策の考え方には共感できませんが、彼の言動には共感できます。
政治というものは、実に悩ましいものなのかもしれません。
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