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2016/08/06

■節子への挽歌3261:手賀沼花火大会

節子
手賀沼の花火大会でした。
この花火大会には複雑な思いがあります。

そもそも、いまのこの場所に転居した理由の一つは、目の前で花火が見られるからでした。
私も節子も花火が好きでした。
最初に一緒に花火を見たのは、たぶん滋賀県大津の瀬田川の花火大会でした。
一緒に暮らし始めた年の夏でした。
現在のところに転居後、花火の日には友人たちを招きました。
いろんな人が来てくれました。
その接待のために、節子はいつもなかなかゆっくりと花火を見られませんでした。
ゆっくりと見られるようになったのは病気になってからかもしれません。

最後の夏は、今年のように暑い夏でした。
節子は花火を見ようとは言いませんでした。
自宅の病室で、私は節子と2人で、花火の音だけを聞いていました。
花火を見に来た人もいましたが、私と節子は病室のなかで音だけを聞いていました。
外のにぎやかさが、どこか遠い別世界のような気がしていました。
それから1か月も経たずに、節子は旅立ちました。
以来、花火を素直に楽しめなくなりました。

今年は、娘が人を呼ぼうと言い出しました。
私は乗り気ではなかったのですが、兄夫婦を呼ぶことにしました。
私も一緒に花火を見ましたが、やはりあまり楽しめませんでした。
しかし、何かが少し変わったような気もしました。

来年は、もしかしたらもう少し元気よく花火が見られるかもしれません。
あるいは、今年以上に見る気が起きないかもしれません。
こころに突き刺さった思い出から、人はなかなか抜け出せません。
花火のように、いさぎよく、始められればどんなにいいでしょう。


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