■「リンカーンクラブサロン「EU離脱に関するイギリスの国民投票」の報告
リンカーンクラブサロンの3回目は、「EU離脱に関するイギリスの国民投票」をテーマに開催しました。
平日の夜でしたが、その関係か、いつもとは違ったメンバーになりました。
生活者感覚の高い2人の女性も参加してくれました。
今回のイギリスの国民投票に関しては、ネガティブな見方が多いですが、リンカーンクラブ代表の武田さんは、「民主主義政治の歴史に残る金字塔を打ち立てるほどの画期的な出来事」と高く評価し、民意を反映させる手段としての国民投票制を日本でも取り入れるべきだと問題提起しました。
加えて、いまの日本の議会制民主主義は、果たして民主主義を反映できる仕組みなのかと、疑問を投げかけました。
そこから話し合いが始まりました。
欧州生活の長かった庵さんは、世代別の投票率が大きく違っているなど、今回の国民投票の実態や、在英の友人のコメントなどを紹介してくれました。
畑さんは、国民投票だからといって民意を反映するとは限らないと指摘し、民意を反映させるための条件が重要だとし、さらに国民投票にはふさわしくない問題もあると指摘しました。
片野さんは、現在の議会制民主主義においても民意は反映されているのではないか、と指摘しました。
国民が重要な政治問題に賛否を投票するには、ある程度の知識や情報も必要になるのではないか、いまのマスコミ報道は果たしてそういう状況を創りだすようになっているかという指摘をしたのは、女性の小室さんです。
子ども問題などに関わっている鎌田さんは、日常の問題を通して社会をよくしようと活動している立場からすれば、男性たちの議論にはちょっと距離を感ずるというような指摘もありました。
いずれも生活者感覚と実際の社会活動から出た、説得力ある発言でした。
この種の話し合いでは、問題の捉え方や議論の仕方における男女の違いが出てくることが多いのですが、今回もまさにそれを明確に感じました。
リンカーンクラブの藤原さんは、最後に、だからこそ、こういう話し合いが大切なのだろうと思うとまとめてくれました。
大きな流れはこんな感じですが、その間、原発問題や教育問題なども出ました。
民意をより強く反映させられるような選挙制度へのアイデアも、鎌田さんから出されました。
武田さんと畑さんの異論のぶつかり合いもありましたが、まあ今回も事なきを得ました。
お互いに、最後に言い方がきつかったことを謝っていましたが、激論ができたということは、今回のサロンもまあ民主主義的に行われたということでしょう。
私は、話を聞いていて、民意を反映させるための手段として国民投票を実現するためには、制度的な条件整備と同時に、投票する私たち国民がしっかりした「民意」を持つことが大切ではないかと改めて思いました。
民意を反映させるためには、そもそも「民意」がなければいけません。
民主主義は誰かがつくってくれるものではなく、私たち自らが創っていかねばいけません。
改めて、そのためにこそ、リンカーンクラブの活動を広げていきたいと思いました。
みなさんもぜひリンカーンクラブへの入会をご検討下さい。
http://lincolnclub.net/
なお、次回は、安倍政権支持者の視点からの問題提起を受けて、日本の民主主義の現状について話し合いができればと思っています。
掴み合いにならない程度の激論が予想されます。
日程など決まったら、リンカーンクラブのホームページで案内させてもらいます。
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