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2016/11/10

■トランプ勝利で思ったこと

アメリカ大統領選挙は、トランプの勝利になりました。
私の周辺には、この結果を早くから確信していた人もいますが、私自身はまったく考えていませんでした。
トランプが選ばれるはずはないという確信がどこかにありました。
しかし、現実はトランプの勝利。

改めて、私たちは「現場・現実から離れた情報」のなかで生きていることを思い知らされました。
現地のアメリカでも有名な新聞のほとんどがクリントン勝利を確信していたようですし、日本の「有識者」や「ジャーナリスト」もまたほとんどがクリントン勝利を直前まで語っていました。
なぜ多くの人が読み違えたのか。
判断の基盤となる情報が不正確で不十分だったからだと考えるべきでしょう。
いいかえれば、彼らの情報と現場の情報とがつながっていなかったのです。
マスコミや「有識者」の情報環境は、おそらく現場から遊離した「二次情報」だったのです。

30年以上前に、私は「非情報革命論」を書きましたが、情報化の進展は、現場とは別個の「情報空間」を生み出すと考えていました。
そして、どちらに住むかで、世界は見え方が変わってくる。
まさにそのことを体験させられた気分です。
それも、自分自身もまた、その世界(「情報空間」)にいることを思い知らされたわけです。
私は、マスコミには懐疑的で、今回の大統領選報道にも批判的に受け止めていたつもりですが、基本的にはそのマスコミ報道をベースに考えていたことが露呈しました。
まだどこかに、マスコミ情報の基盤の上で思考している自分がいるようです。
今回はアメリカ大統領選挙でしたので、すぐには自分の生活につながらないかもしれませんが、おそらく自分の生活につながるところでも、こうした状況に私自身陥っているはずです。
心しなければいけません。

マスコミ情報が現場情報と遊離していることを示唆するのは、今回が初めてではありません。
大方の予想を覆す事例は、最近増えてきているように思います。
現実空間と情報空間が乖離しだしているのです。
にもかかわらず、それを受け容れたくない自分がいるのかもしれません。

たぶんいまの国際政治も国際経済も、現実とは違った別の世界を生み出しているのです。
そのいずれの世界でも「同じ言葉」が使われていますので、違う世界に住んでいることに気づきにくい。
その典型が、アベノミクスの経済成長論です。
「世界」9月号の「時間かせぎの政治」という論文を友人が教えてくれました。
そこで、吉田徹さんが、安倍政権の政治手法は「期待値の操作」で、アベノミクスが成功しないのは、それがまだ不足しているからだ、と言い続ける。すると、景気回復の実感がない人ほど、いつかは自分にも恩恵が及ぶはずと思ってしまう。その結果、「マイナスの実感があってこそ、それらは期待値へと転換される」。そこにこそ安倍内閣が支持されてしまう逆説がある、と書いています。
しかし、生活現場から遊離した金融経済での景気回復は、いつになっても現場には届きません。
世界が違うからです。
「時間かせぎ」と書かれていますが、「時間軸」の問題ではなく、「空間軸」の問題ではないかと私は思います。

ちなみに、吉田さんの論文は、ヴォルフガング・シュトレークの「時間かせぎの資本主義」を参照していますが、シュトレークはもしかしたらトランプ勝利を予想していたかもしれません。
違った世界が見えていた人ですから。
「時間かせぎの資本主義」はとても示唆に富む本ですので、お勧めします。
http://cws.c.ooco.jp/book2.htm#009

他にもいろいろと思うことがあります。
たとえば、私の思考パターンがすでに情報空間型に馴致させられているのではないかという不安です。
少しずつブログで書いていこうと思います。

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