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2016/12/15

■節子への挽歌3392:それぞれの時間

節子
入院中ですが、もう一度書くことにしました。
なにしろ時間を持て余していますので。

やはり4時間の時間は長い。
日常生活だとあっという間なのですが。
それで気づいたのですが、時間の進み方がここでは明らかにゆっくりなのです。
同じ世界に住んでいるのでそんなはずはないと思ってしまいがちですが、75年も生きていて、ちょっとだけ多次元的に生きられるようになってみると、それはそう不思議なことでもないのです。
時間は、人によって、場所によって、状況によって、速さが変わるのです。

さてそこで気づいたのが、やはり節子のことです。
節子は、手術の前後は病院でしたが、基本的には在宅でした。
しかし、私と節子との時間の進み方はちがっていたのです。
当時、それに気づかなかったのはやはり悔いが残ります。

つまりこういうことです。
時間はそれぞれ人によって進み方が違う。
大切なのは、自分の時間を相手に押し付けるのではなく、相手の時間に沿って自らの時間を生きなければいけないということです。

節子が元気な頃、節子にも話しましたが、脳梗塞の後遺症が残り身体が不自由になった秋山さんが、身体的な障害のある人たちの働く場をつくりたいと相談に来たことがあります。
ささやかにその活動を支援したのですが、ある時にハッと気づきました。
私の時間速度と秋山さんの時間速度が違うことに、です。
秋山さんは私に合わせようとがんばっていたのです。
それからはの時間に合わせるように努力しました。
彼の主催するワークショップにも参加しましたし、彼のオフィスのある館山まで秋山さんに会いに行ったこともあります。
そのたびに、私だけではなく、たぶん世間の時計と秋山さんの時計は違っているので、とても苦労していることが伝わって来ました。
秋山さんは、節子の葬儀にもわざわざ来てくれ、最後までずっと見送ってくれました。
そういえば、最近、連絡がありませ
退院したら連絡してみようと思います。

ここまで書いていたら、突然、明日、手術してくれる高久医師が来てくれました。
何か気になることはありますかと、また訊かれました。
すべてお任せしますと素直に答えました。
節子もそうしていたように。
高久さんは、世界がよく見えるようになりますよ、と笑顔を送ってくれました。
高久さんは徳島大学出身だと病院の掲示板に書いてありました。
先ほどの病院内探索活動で得た情報です。
どなたか知り合いの方はいませんか。

間もなく夕食です。
お腹が減ってきました。
インターネットはできませんが、携帯電話のCメールがいくつか届いていました。
市議会議員からの留守電もありました。
世間ではいつものように時間が進んでいるようです。
今日、湯島でもあるプロジェクトが大きく羽ばたいているはずです。
何か天上界にいるようで、これもまたいいです。
祐滋さんたちがサダコ鶴を持って真珠話に行くそうです。
世界が変わり出すかもしれません。

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コメント

私の時間も、他の人とはかなり違います。
場所だけでなく、やっていることでも、意識の状態でもかなり変わります。

だから、私は一人きりになる時間がどうしても必要で、それが理解できない人や、それを許さない人や、私のひとりの時間に土足で踏み込む人とはいられません。
ごく身近にいる者がその種の人なので、その試練でとても鍛えられています。

それぞれの時間を尊重できる人同士でなければ、真の信頼も、真の友情も、真の愛のつながりも、できない。私はそう思います。

投稿: 小林正幸 | 2016/12/18 18:10

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