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2016/12/15

■挽歌番外編1:入院初日

節子
今日から人生2度目の入院です。

朝10時に病院に到着。手続きをして、病室にはいりました。
4人部屋です。
担当は今年看護師になったSさん。
ちょっとまだ慣れていない感じはしますが、さわやかのがいいです。
新入の看護師をみるとその病院の実態が伝わってきます。
この病院はいい病院です。きっと。いや、たぶん。
時に間違った説明もありますが、まあ周辺的などうでもいいことなので、逆に気が緩みます。
入院計画表によれば、今日の目標は「手術に関連した不安を表出できる」とありますが、そのためにはむしろいいことかもしれません。
しかし、この目標はちょっと意味不明です。
それにないものを表出するのもむずかしい。
しかし、手術には何が起こるかわかりませんから、こうした無為の一日は必要なのでしょう。

今日は何もやることがないそうなので、外出してもいいかと質問しましたが、駄目だそうです。
しかし、黙って外出してもわからないでしょう。
まあその可能性を残すために、病院衣に着替えるのをやめて、普段着のまま今日は過ごすことにしました。

明日の午前中に手術ですが、手術後48時間はクーリングのため、目が覆われるそうです。
真っ暗な世界を2日間彷徨するわけです。
これは新鮮な体験になるでしょう。
順調であれば、日曜日には退院できるそうです。

それにしても何もやることがない。
昼食後、病院内を探索。
でもあんまり面白くありません。
大きな病院ですが、どこも人があふれています。
いつもながら、この風景には異様さを感じます。
一方、病室の静けさは、これと対照的です。
実に静かで、時間が止まっている。
一種独特の静寂、気だるさを感じます。

隣のベッドの人が、トイレやお風呂やお茶の場所を教えてくれました。
入院患者には不思議な親近感をお互いに感ずるものです。
世界丸ごとがいまは病院のように病んだ人ばかりになっているのに、なぜ世界には親近感が生まれないのでしょうか。

どこかでWi-Fiが使えないかと訊いてみましたが、院内は使えるところがないそうです。
職員用の使える場所はあるそうですが、そこを使わせてもらえないかとはさすがに頼めませんでした。
それでオフラインで、書いておくことにしました。
あんまり本も読めないと思い、出掛けに机の上にあった、読みかけの文庫本を一冊だけ持ってきました。
オルテガの「大衆の反逆」。
若い頃に読んだ本ですが、先日主催した民主主義をテーマにしたフォーラムで話題になった「愚民」論に改めて読み直す気になったのですが、途中で止まっていました。
読みだしたのですが、何時の間にか眠ってしまいました。
目が覚めたら、外はもう薄暗く、寒そうなので外出はやめることにしました。
そんなわけで、病院衣に着替え、いまから晴れて入院患者です。
でもまあ、今日はまだ消灯まで4時間以上もある。
時間がないのも大変ですが、時間があるのも大変なものです。
人間のわがままさがよくわかります。

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