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2017/01/28

■自分ファーストの風潮

昨日のブログの最後に、

アメリカファースト、都民ファースト。
貧しい時代になってきました。
と書きました。
そういう風潮に合わせて、「取り戻し」の動きが高まっていることが不安です。

私は、人の本質は、他者をおもんばかることにあると考えています。
それは、人に限らず、生命の本質だと思っていますが、その本質の揺らぎは、人が「死」を認識した時から始まったのかもしれません。
つまり、個体の死が、生命の個体化を意識化させ、そこから私利意識が始まった。
人が、その「死」をむしろ支え合いや思いやりにつなげてきたのは、これもまた生命の本性から出たことだと思っています。

それはともかく、生物的にはひ弱な人類が、生き残れてきたのは、「支え合い」によるものだということは、多くの人が語っていることです。
いま話題の「サピエンス全史」の著者は、アフリカ大陸の一隅で捕食者を恐れてほそぼそと暮らしていた「取るに足りない動物」だった現生人類が、地球を支配するに至ったのは、多数の見知らぬ者どうしが協力し、柔軟に物事に対処する能力を身につけたからだ、と書いています。
もしそうであれば、「支え合いの知恵」こそが、私たちの拠り所です。
そして、私たちはその知恵を時間をかけて制度化し、社会化してきました。
しかし、それを最近の「ファースト志向」は壊そうとしている。
トランプ大統領と小池都知事は、私には同じに見えていますが、それを多くの人が支援していることは、驚きです。

「○○ファースト」ブームです。
「アスリートファースト」という言葉が象徴していると思いますが、だいたいにおいて、「○○ファースト」と言っている人は、その「〇〇」ではなく、それを利用している「よこしま」人が多いように思います。
しかし、その「○○ファースト」に、「○○」の人たちはだまされてしまう。
そして、時代の風潮として、「○○ファースト」、つまり、自分たちのことだけしか考えていないという、生命らしからぬ考え方が広がりだしたということです。
いささか大仰に言えば、ホッブスの「万人の万人に対する闘争」が始まったのです。
まさに、余裕のない、貧しい時代を象徴しています。

自然は、すべての生命に自らを提供している。
最近の異常気象が引き起こす自然災害を見ると、自然は恐ろしいと考えてしまいましが、それは「人間ファースト」発想によって、私たちの生活を成り立たせてしまっている結果かもしれません。
自然には、悪意があるとは思えません。
支援災害を起こす、その自然のエネルギーが、同時にまた、私たち生命に、あるいは人間に恩恵ももたらしてくれます。
東北の津波被災地に、防波堤を造り上げるのと、メキシコとの国境に壁をつくるのと、私には同じ行為に見えてしまいます。

「自分ファースト」志向は、物事の一面しか見ない、短絡的な姿勢です。
一昔前に、「啓発された自己利益 (Enlighten Self-Interests)」という言葉がはやったことがありますが、利己と利他は時間軸や空間軸を広げていけば、結局は同じものに行きつくはずです。

他者をおもんばかる生き方が、どれほど豊かなものであるか。
私たちは、それを忘れているような気がしてなりません。

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