■節子への挽歌3493:一人で生きることの大変さ
節子
さわやかな朝なのですが、気が一向に晴れません。
晴れないのは、それなりの理由があるのです。
相変わらず周辺では、さまざまなことが起こります。
最近気づいたことがあります。
社会がおかしくなってきた最大の理由は、多くの人が「雇用労働」につくようになったからではないかということです。
これに関しては、改めて時評編に書きます。
しばらく音信不明だった人に連絡しようと思って、連絡先を探しました。
メールも電話もつながりません。
会社を経営していた人なので、ネットで会社のホームページを探しましたが、なぜか見つかりません。
会社経営が大変だったのは知っていましたが、ネット上から「痕跡」が消えています。
いささか心配です。
昨日、旅行会社てるみくらぶが破産しました。
負債は100億円近い額だそうです。
顧客や従業員も多大な迷惑を受けることでしょうが、私は社長の山田千賀子さんに心から同情します。
たしかに、経営の責任は問われなければいけませんが、山田さんの人生は一変するわけです。
もちろん山田さんの家族も、です。
六本木で豪華な生活をしていた人が、会社破綻で突如、ホームレスのようになってしまうという話も聞いたことがありますが、組織に雇われて安定した「仕事」と「給与」をもらっている人と違い、個人でビジネスをやっている人は毎日が「緊張」の連続です。
そして、時に、巨額な借金を背負い込むこともある。
うまくいけば、巨額な利益を得ることもあるでしょうが、それに見合うリスクを負いながら生きているのです。
意思決定は、常に自らがやらなければいけません。
それは、たぶん体験しなければわからないことでしょう。
そうしたリスクを分散するために、「専門職制度」ができたのかもしれません。
私も一度だけ、組織や制度に守られないビジネスにささやかに関わったことがあります。
私の取り組みのミスで、私も大きな負債をかかえこんでしまいました。
人助けのつもりが、人助けにもならず、むしろ他者に迷惑をかけることになってしまった。
その時のダメッジが、いまもなお私に覆いかぶさっていますが、そのおかげで、少しだけそうした個人でビジネスをすることの意味がわかるようになりました。
以来、個人事業者の捉え方が変化しました。
会社勤めは、そういう意味では実に安定していますし、リスクはさほどありません。
あるのは、突然解雇されるくらいでしょう。
個人が失敗して受けるダメッジとは、まったく違います。
会社生活と個人事業生活を体験して、その違いがよくわかります。
だからこそ、てるみくらぶの山田社長に同情したくなるのです。
連絡がつかなくなった知人ですが、そういうことはその人だけではありません。
私の周辺には、個人で仕事をしている人が少なくないのですが、なぜか私の周りにいる人たちは、みんな苦戦しています。
この年度末を、乗り切れるかどうかが課題です。
お金は本当に邪悪で危険な力を持っています。
しかし、なぜかお金がないと困ることがある。
お金から自由になろうと思いながら、お金が欲しいと思っている自分に、どうも気が晴れないのです。
私が、安定した会社生活を辞められたのは、節子の存在があったからです。
しかし、いまは、安定した金銭収入も節子も存在しません。
困ったものです。
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