■節子への挽歌3515:鳩が巣を作りました
節子
庭の木に鳩が巣をつくってしまいました。
節子は死の直前に、また鳥や花になって戻ってくると書き残しましたが、私は、鳥があまり好きではありません。
困ったものです。
せめて蝶とかトンボとかと言ってくれたらよかったのですが、なぜか鳥でした。
節子は酉年でしたから、そのためかもしれません。
しかし私は、子どもの頃、手塚治虫の「ロック冒険記」を読んで以来、鳥にある種の恐怖感があるのです。
母が鳥を飼っていたことがありますが、どうも苦手でした。
嘴と足が特に生理的に苦手なのです。
そんなわけでわが家には鳥に住んでほしくないのですが、数年前も小さな鳥が巣を作りました。
2羽生まれましたが、1羽は育ちませんでした。
だから巣は作ってほしくないのです。
実は節子のいた頃から、毎年、庭の藤棚に鳩がやって来て巣づくりをしようとしていました。
節子もそれは反対で、鳩には悪いのですが、巣づくりは断っていたのです。
その藤棚が昨年の台風で壊れてしまったので今年は大丈夫だなと思っていました。
ところがあまり人がいかない家の横の木に巣がつくられているのに気づいたのです。
すでに卵が産まれていましたので、もう立ち退き勧告もできません。
巣の中にある卵を食べてしまう方法もありますが、不思議なもので、鶏の卵は食べられても、鳩の卵は食べる気が起きません。
そうなると今度は、この卵をカラスとヘビから守らないといけません。
なんだか理屈に合わない気がするのですが、それ以外の選択肢はありません。
困ったものです。
時々、親鳩が卵を抱いてあたためています。
その時には、目があっても鳩は動じません。
むしろ私が睨まれているようで、ついついあやまってしまいます。
しかしどう見ても、この鳩は節子ではなさそうです。
節子
できれば鳥になってやってくるのはやめてくれませんか。
せめて鳥ならば、スズメにしてもらえないでしょうか。
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