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2017/05/28

■節子への挽歌3553:「胃がんが見つかってしまったよ」

節子
小学校時代の私の友人たちも、時々湯島に来ました。
その一人から私の電話がかかってきました。
近いうちに会おうかという電話のまま、雑用に追われて電話をするのを忘れていました。
彼が、相談したいことがあるというのです。
急ぐのかというと急ぐと言います。
そして、少し間があって、「胃がんが見つかってしまったよ」というのです。
思ってもいなかった言葉です。
手術の日もすぐ決まったようです。
その前にやっておきたいことがあるというのです。

彼は一人で暮らしています。
靴屋さんです。
お互いに憎まれ口をたたき合っていますが、私を絶対的にといっていいほど信頼している親しい友のひとりです。
独り身でがんの告知を受けた時の気持はどうだったでしょうか。
誰も相談する人がいない不安は、少しわかります。
いまやっている店をどうするのか。
万一の時は遺産相続をどうすればいいのか。
誰に相談したらいいのか。
いや、その前に、そもそも何をどうしたらいいのか。
一人で考えていても、考えはまとまらないでしょう。
だから私に電話してきたのでしょうが、こういうときほど、自分の無力さを感ずることはありません。
私の体験から言えば、どんな言葉も決して力にはなりません。
会うしかありません。
と言ってもすぐに会っても何もできない。
もう一度今週病院で検査をするというので、その病院の検査が終わってから会うことにしました。

毎週のように、こういう電話やメールが来ます。
しかし、今回のように、独り身の友からの連絡ははじめてです。
他の仲間にも連絡すべきかどうか。
それにしてもどうしてこういう話が毎週のようにやってくるのでしょうか。
旅立ちは早いほうがいい、とつくづく思います。

胃がんの早期発見ならば問題はないでしょう。
それはわかっているのですが、独りで抱え込んでしまうと不安は高まるだけでしょう。
何が、私にできるでしょうか。
また悩ましい課題が一つ増えてしまいました。
節子
どうしたらいいでしょうか?

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