■企業の人たちと話していて感ずること
昨日は山城経営研究所のエグゼクティブフォーラムの、私の担当チームが湯島にやってきました。今月初めに奈良で合宿をして、一応、大きな方向性は出したのですが、それをもう少し深掘りするのが目的です。
7つの企業に属する管理者がメンバーですが、今回の共通テーマは、多様な価値観を持った社員を活かす組織(職場)にするにはどうしたらいいかというのが、みんなの関心事です。
答は極めて簡単だと私は思いますが、日本の現在の企業は、ダイバーシティ戦略などと口では言っていますが、実態はむしろヒューマンファクターを抑圧しながら思考停止した部品化を社員に求めているようにさえ、私には感じられます。
1980年代に広がりだした、生命論的組織観やオートポイエティック発想は後退しています。
企業の人たちと話していると、日本企業の実相が伝わってきます。
長年、この活動をしていて感ずるのは、日本の大企業からイノベ―ティブなアントレプレナーシップが消えてきていることです。
一言で言えば、日本の企業経営は大きく劣化してきています。
働き方改革が話題になっていますが、そもそもその問題の立て方が間違っていると思えてなりません。
30年程前に、ある企業が経営理念に「月曜日が楽しい会社」を標榜したことがあります。
そこで前回の合宿で、参加者に問いかけました。
「あなたは月曜日が楽しいですか?」と。
昨日のメンバーの中には「月曜が楽しい」という人がいましたが、管理者が月曜が楽しいと思っている会社がどのくらいあるでしょうか。
もちろん「日曜も楽しいが月曜も楽しい」が理想ですが。
大切なのは「働き方」ではありません。
仕事そのもの、企業活動そのものです。
問題の設定を間違えている以上、日本の大企業は元気にはならないでしょう。
このミーティングの前に個人の起業家と会い、その後は社員30人ほどの企業の社長と会いました。
2人とも山のような課題を背負って苦労していますが、楽しそうでした。
今日は朝から夜まで、ビジネス関係の人との議論でした。
福祉の分野から見えるものとはまた違った世界が見えてきますが、いずれも悪い意味で近づいているような気がします。
ちなみに、このチームに参考図書として挙げた1冊は藤井聡さんの「〈凡庸〉という悪魔」です。驚くことに少なくとも2人の人が読んでくれました。
http://cws.c.ooco.jp/book2.htm#006
企業という組織に使われるのではなく、企業という組織を活用して、価値を創りだす仕事をもっと多くの人に楽しんでもらいたいです。
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