■権力に対峙するためにはつながりが必要
私が一番嫌いなことは、「嘘」と「無視」です。
いまの国会での閣僚や官僚の答弁を聞いていると、「嘘」と「無視」が満ち溢れている。
先日の菅さんの記者会見で、司会の人が「同じような質問を繰り返さないでください」と注意されていましたが、そう言われた女性記者は「明確な回答をいただけなかったので」と応えていました。
他の人が、そうしたやりとりに共鳴して、女性記者を応援して、政府の「嘘」と「無視」を糾弾しないのが残念ですが、その記者のねばりに少しですが、私は救われた気がしました。
司会者は、「同じ回答を繰り返さないでください」と言うべきでした。
仲間を司会者にしている限り、公正な記者会見など実現しません。
この記者会見でも明らかですが、「一強体制」をつくっているのは、野党であり国民です。
権力に対してはバラバラでは絶対に対峙できません。
権力構造の原理は、どれだけの力を結集することができるかですが、逆に言えば、自ら以外をどのくらいバラバラにできるかでもあります。
つまり、菅官房長官に対峙するには、記者会見場での記者が横につながらなければいけません。
繋がるという意味は、記者会見の意味を共有し、それぞれが求めるものを効果的に引きだす場にするということです。
ただただ話を聴く場ではないはずですが、いまはそうなっているように思います。
国会の議論もそうです。
野党は少しだけ横につながって言動しはじめていますが、もっと国民や社会とつながらなければ権力には対峙できません。
1950~60年代はそれが経済や政治でも実現していました。
つながりが大切なのは、福祉の世界の話だけではありません。
それに福祉は、経済と政治に深くつながっています。
ちなみに、現在の経済と政治の原理は、つながりを壊すことです。
つながりを壊すことで新しい市場が生まれます。
つながりを壊すことで権力が生まれます。
もちろんそれとは逆な経済や政治はありますが、いまの経済や政治はそうなっています。
市民活動や福祉活動をしている人たちが、経済や政治にあまりに無関心なのが、私には理解しがたいです。
ヒットラーナチスは、そうした善良な人たちのボランティアや横のつながりに支えられて、大きくなりました。
いまの日本にも、その兆候を感じます。
だれが一強国家をつくったのか。
それに気づかなければ、日本は変わりません。
アメリカやヨーロッパの国民たちは、それに気づきだした気がします。
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