■節子への挽歌3629:杉本さんにまた宿題をもらいました
節子
いささかハードな、刺激の多い3日間でしたが、なんとか乗り換えられました。
この3日間で、40人を超す人に会いました。
なかにはきわめてハードなものもありました。
それは節子もよく知っている杉本さんとのミーティングです。
杉本さんは、最後の仕事として決めていた書籍を書き上げました。
テーマは、団体組織法です。
ところがそれをまとめることによって、大きな問題にぶつかったというのです。
会社経営者から法律研究者へと変身した、杉本さんの実践的な行動力には感服するしかありませんが、これまでの者を集大成したのが、この書籍です。
そのエッセンスは、これまでも何回か部分的にはお聞きしていますが、今回はわざわざ図解したシートを作成し、レクチャーしてくれました。
しかし、今回ぶつかった問題は、いささか厄介で、それに関して頼みたいことがあるというのです。
人の頼みはいつも気楽に引き受けるのですが、杉本さんの頼みは気楽には引き受けられません。
しかしもちろん断ることなどできません。
だからいささか恐ろしいのです。
杉本さんは、日本の民法の基本理念は、未だに我妻栄理論に基づいているというのです。
昨年、民法が改正されましたが、団体組織論の根底にあるのも我妻栄理論だというのです。
日本の民法学会は、未だに我妻栄理論から抜け出せないでいるというのが杉本さんの主張です。
と言われても、私には異を唱える知識もありません。
杉本さんは60歳を過ぎてから法学を学びだしたのですが、杉本さんと法律論議をするたびに、私は自らの不勉強を思い知らされます。
杉本さんの論理展開を理解するだけも大変なのですが、午前中、いささか気の重いミーティングと暑い中を街中を歩いていたせいもあって、思考力が低下してて、なかなか理解できなくて、杉本さんをイライラさせたかも知れません。
我妻パラダイムはともかくとして、杉本さんの主張には共感するところが多いのです。
企業経営の理論の変遷に関しては、私の方が少しだけ詳しいかもしれません。
私も、経営論ではなく組織論に関心があったため、経営コンサルタントとしてはまともな仕事の機会を得られませんでしたが、昨今の企業の実態を垣間見る限り、1980年代に日本の企業は路線を間違えてしまったとしか思えません。
ですから、杉本さんとは違った視点からですが、共感するところがあるのです。
杉本さんには、私のような文系の論理の積み上げ方はいかにも粗雑に見えるはずです。
それに私は、あまり論理的ではなく感情的な思考展開をしがちですので、議論がかみ合わなくなることも少なくないです。
にもかかわらず杉本さんは、私を信頼してくれて、試論をぶつけてくるわけですが、それに応じて議論をするのは、かなりのエネルギーが必要です。
2時間話しただけで、心底疲れます。
その上、ある提案があって、結局、約束してしまいました。
疲れ切ったまま、久しぶりに「みんなのゆる~いカフェ」に入ったのですが、数名を意図していたのに18人の参加です。
しかも個性豊かな人ばかりです。
発達障害、LGBT,自殺企図者、引きこもり、人間とすべて縁を切りだした人、など、多彩な人が押しかけてきたのです。
そのまままた3時間のサロン。
精根尽き果てて、自宅に帰りましたが、そこでパソコンを開くとまたまた問題。
今日は出かけるのがやっとでしたが、神様は私のために暑さを和らげてくださいました。
そのおかげで、何とか今日の用事はやり終えることができました。
まあ宿題はいろいろと残ってはいますが。
明日からお盆休みです。
やらなければいけないことがたくさんありそうですが、まずはゆっくり寝たいです。
挽歌らしからぬ内容ですが、杉本さんとのことを節子に報告しておこうと思って書きだしました。
節子の訃報を聞いて、すぐにわが家まで杉本さんは来てくれました。
それが不思議でなりませんが、杉本さんは節子までをも「同志」と呼んでいましたので、杉本さんのことは節子に伝えておきたいのです。
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