■政策的な野党が生まれるかもしれないという期待
選挙に向けて、状況はますます複雑になってきました。
前原さんが、ここまでの展開はすべて想定内だったと公言しているのには驚きましたが、発言からその人のすべてが見えてくるような気がします。
しかし大きな構造としてはようやく野党、つまり政権与党への政策的な対抗政党が生まれる素地ができたと思います。
私は政党政治の時代はすでに終わったとずっと考えていますが、しかし現実はまだ政党支配の政治になっていますので、最近の野党不在から野党が生まれだす状況ができてきたのはうれしいです。
希望の党は、少しずつ実態が見えてきたと思いますが、隠れ自民党であり、大きな政策軸は安倍自民党と同じです。
野党とは言えず、たとえ自民党の拮抗力になっても、政策的な意味では野党とは言えません。
原発ゼロを書類では明示せずに口頭で語っていますが、これはもし選挙に勝てば撤回するでしょう。
ちなみに、野田政権以降の民主党は原発推進派でしたし、核武装志向だったと思います。
小池新党は野田政権や前原民進党と同じく、核武装や原発推進が基軸になっていると思います。
希望の党は足元が揺らぎだしているようですが、失速するでしょう。
権力を手中にした独裁者(今の安倍さん)と違い、権力のない(つまり利益を提供できない)独裁者はアリの一穴から崩れていくからです。
そろそろそのアリの一穴が見えだしました。
立憲民主党という、時代遅れの名前の枝野新党が新風を起こしていくのは、よほどの参謀がいないと難しいでしょうが、野党を生み出す核にはなるでしょう。
いやなってほしいです。
ただあまりに役者というか、生活者をひきつける人がいないのが残念です。
希望の党が選挙に勝っても、事態は全く変わりません。
小池都知事は、都政の何を変えたのか。
築地問題を利用しただけでしかありません。
どうしてみんなそれに気づかないのか。
女性の首相待望論もあるようですが、男性と同じような思考と行動をするのであれば、形だけの女性であって、ドイツのメルケルのようにはならないでしょう。
アメリカの国民が女性大統領のクリントンを選ばなかった理由を考えなければいけません。
トランプにさえ勝てなかったのです。
枝野新党に期待します。
共産党もこの際、みんなを見習って、解党し,枝野新党と一緒に「民主共産党」に進化してほしいです。
本当は「民主共和党」が私の理想ですが。
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コメント
佐藤さん、こんにちは。
ブログへのコメントは久しぶりですが、よろしくお願いいたします。
先ず、個人的には“立憲民主党”の結成を歓迎したいと考えています。
そして、どんなことが支援活動としてできるのか、自分なりに追求していこうかと思っています。
>選挙に向けて、状況はますます複雑になってきました。
>前原さんが、ここまでの展開はすべて想定内だったと公言しているのには驚きましたが、発言からその人のすべてが見えてくるような気がします。
前原氏の政治思想の形成過程を大まかに遡ってみるならば、そのコアの部分が松下政経塾⇒京大法学部[高坂正堯(高坂正顕)←猪木正道])にあると見ても間違いはないでしょう。そして、政治思想の身体化のプロセスとして長浜博行氏等の同じ松下政経塾出身者とともに日本新党の結成に参画していくことになるわけですから、政治思想的には反共・経済思想的には反米と云うことでは終始一貫しているのであり、この点では小池氏とも見解が一致していて今回の希望の党への合流に際しての篩い分け(振るい落とし)の推移に関しては想定内のことだったのではないでしょうか。しかし、それを公言してしまうのは小池氏の「排除」の言葉と同様、人格的に品の無さが露呈したものと謂えるかも知れません。
>立憲民主党という、時代遅れの名前の枝野新党が新風を起こしていくのは、よほどの参謀がいないと難しいでしょうが、野党を生み出す核にはなるでしょう。
>いやなってほしいです。
私は“立憲民主党”の党名に時代遅れや斬新さを覚えることはなかったのですが、むしろ、我々日本人は“立憲主義”を本当の意味で理解・獲得して来ているのだろうか、“民主主義”の理想に向かってチャレンジしているのだろうか、すなわち、我々は“立憲主義”や“民主主義”をどれほど意識したのか、あるいはその意義や精神を充実化・身体化させて来たのか、そうした自問自答をすべきだと投げ掛けているようにも思われました。
>枝野新党に期待します。
>共産党もこの際、みんなを見習って、解党し,枝野新党と一緒に「民主共産党」に進化してほしいです。
>本当は「民主共和党」が私の理想ですが。
時間軸を外した理想を云えば[ベクトルa(民主主義)×ベクトルb(立憲主義)=ベクトルc(民主共和制)]になるのでしょうが、現実的には[ベクトルa(民主主義)+ベクトルb(立憲主義)⇒ベクトルc(民主共和制)]でしょう。
私も枝野新党に期待しつつ、“立憲民主党”の地盤建設と立憲民主主義のさらなる進化を見守ってゆきたいと思っています。
また、会いましょう。
投稿: 向阪夏樹 | 2017/10/04 17:22
向阪さん ありがとうございます。
12月9日のサロンに久しぶりに参加しませんか。
投稿: 佐藤修 | 2017/10/06 09:30