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2017/11/05

■カフェサロン「重度知的障害のある人の一人暮らしとコミュニティ」報告

風雷社中代表の中村さんのサロンは、三連休のど真ん中にもかかわらずに10人を超える集まりになりました。
最初に、中村さんたちがやっている、シェアハウス&コミュニティスペース『Transit Yard』で自立生活をする重度の知的障害のある青年げんちゃんの映像記録を見せてもらいました。
自立生活支援の活動の映像かと思っていたら、そうではありませんでした。
さりげない生活風景をただ映し出しているものです。
しかし、すっかり見入ってしまいました。
そこからさまざまなものが伝わってきて、いろいろと考えさせられました。
障害とは何か、自立とはなに、支援するとはなにか、そしてコミュニティとはなにか。
同時に、屈託のない、げんちゃんの笑顔と周りの人のすごく自然な表情や態度と、げんちゃんのお母さんのとても素直な言葉が、強く残りました。
さりげない映像の持つメッセージ性の大きさに改めて気づかされました。

中村さんたちの取り組んでいる活動やスタイルにもとても共感しました。
タイトルに中村さんが「コミュニティ」という言葉を入れた意味もよくわかりました。
実はあまりに多くのものをもらったので、消化できずに、今回も報告を書くのが遅れてしまいました。
しかし、今回ほど、自分の生き方に重ねあわせて考えたことはありません。
そうした「気づき」を、うまく言葉として書けないのが残念ですが。

Transit Yardではさまざまな生活がシェアされています。
現在はげんちゃんとフォトジャーナリストの人が住んでいて、1階(3階建ての住宅です)では今回も参加してくれた石川さんがイベントスペースを展開していて、そこではさまざまな人の集まりやイベントが行われているそうです。
げんちゃんが暮らしているTransit Yardは、施設でもグループホームでもなく、げんちゃんにとっても、またそこに関わっている人たちにとっても、コミュニティ的な存在なのです。
そして、そこにはまさにげんちゃんのコミュニティがある。
コミュニティの仲間同士での、支え合いや助け合いがある。
もちろんトラブルもあるのだろうと思います。
しかし、強い絆に呪縛されるような、拘束的なコミュニティではなく、ゆるやかな開かれたコミュニティを感じました。
アソシエーションではなく、まさに、トランジット・コミュニティ!。

映像を紹介してくれた後、中村さんはたくさんのことを話してくれました。
なぜ、げんちゃんと関わるようになったのか、Transit Yardを始めたのか。
自立支援制度に関する話も出ましたし、Transit Yardへの世間の目の話もありました。
いろいろと話し合いもありましたが、今回、私は自分のことと重ねていろいろと考えてしまったこともあり、あんまり思い出せないのです。
すみません。

でも、私が質問させてもらったことは少し覚えています。
げんちゃんのおかげで、とても人間的なコミュニティが育っているのではないかという私の感想には中村さんはあんまりうなづいてはくれませんでしたが、でも、げんちゃんはまわりの人に喜びや幸せを与えているというような話をしてくれました。
また、この15年ほど、日本の福祉行政は劣化しているのではないかという私の意見に、中村さんは全体としての障害を取り巻く社会環境はよくなってきていると教えてくれました。
現場の人がそう思うのであれば間違いありません。
そして中村さんから、マイナス面だけに目をやらずに、むしろ良くなった点を活かしていく方がいいと諭されました。
その言葉に、私は自らの姿勢を大きく反省しました。

参加者のなかには、さまざまな立場や方法で同じような活動に取り組む人たちが多かったのですが、NPO法人ぱれっとで活動している人たちがいました。
ぱれっとでは、障がいを持つ人と持たない人が一緒に暮らす家「いこっと」を運営していますが、ぱれっとの人たちの話もとても示唆に富むものでした。
http://www.npo-palette.or.jp/index.html
いつか話をしてもらいたいと思いました。

こうした実例が広がってくれば、障がいということへの意識が勝っていくだろうと思います。
なによりも、障がいを持つ人の親の意識も変わっていくかもしれません。
もちろん障がいを持つ人自身も。

今回のサロンでは、福祉の本質が語られたような気がします。
もっと多くの人に聞いてもらいたい話でした。

風雷社中では、RANSIT YARDで、毎週のように、重度知的障害者自立生活の記録 【げんちゃんの記録①〜③】の上映会&茶話会を開催しています。
案内は、下記にありますので、ぜひ一度参加してみてください。
https://www.facebook.com/events/1993776757532963/

また、案内の時にも紹介しましたが、げんちゃんに関しては、新聞でも報じられたことがあります。
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/genchan?utm_term=.dnJjjMYxzW#.yv0JJQwlrd
これもぜひ読んでみてください。

最後に中村さんは、いま取り組んでいる「知的障害者の自立生活についての声明」の話をしてくれました。
中村さんたちが目指しているのは、知的障害のある人たちが、自分が生まれ育った地域で安心した生活をしていけるような社会ですが、それは同時に、認知症になっても安心して生活できる社会につながっていくことを中村さんは気づかせてくれました。
こう考えると、「知的障害者の自立生活」とは、すべての人に無縁ではない話です。
これも今回、私が気付かせてもらったことの一つです。

「知的障害者の自立生活についての声明」もぜひお読みください。
https://jirituseikatu.jimdo.com/%E7%9F%A5%E7%9A%84%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85%E8%87%AA%E7%AB%8B%E7%94%9F%E6%B4%BB%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%AE%E5%A3%B0%E6%98%8E%E6%96%87/%E5%A3%B0%E6%98%8E%E6%96%87%E7%B4%A0%E6%A1%88/
この声明への関心を広げていきたいです。

いつものように偏った報告ですが、なにしろ最近のサロンは受け取る情報が濃密で大量なので、消化するのが大変です。
長い報告を読むのも大変だと思いますが、書くのもそれなりに大変なのです。
ぜひみなさん湯島のサロンで直接話し合いに参加してみてください。
私の報告など思いも及ばない気付きが得られると思います。

中村さんと石川さんはじめ、参加されたみなさんから、たくさんの宿題をもらったことに、感謝します。

Nakamura20171104


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