■サロン「メディアリテラシーから読み解く世界の素顔と「陰謀論」」報告
予想を超えて、驚くことに18人のサロンになりました。
「陰謀」に興味を抱く人は多いのでしょうか。
それとも、いまの時代が「陰謀」を匂わせているのでしょうか。
もちろんメディアリテラシーに興味を持って参加された人もいますが。
「陰謀論」の広がりこそが「陰謀」であって、それも含めて「陰謀論」の奥にある事実を、メディアから読みとくことが大切だ、というのが中島さんのメッセージだったように思います。
「陰謀説」のすべてを否定したり信じたりするのではなく、自らの世界を広げていくことで、洪水のような情報を読み解くことが大切だというわけです。
陰謀論への対抗力を持ちましょう、そのためにも陰謀論と言われている話も知っておくことが大切だというのが、中島さんのお考えだと私は理解しました。
話は、バックパッカーとしてアジア各国を回ったことや仕事や趣味のことなど、中島さんの自己紹介から始まりました。
多様な世界を体験したことが、今日の話題にもつながっているわけです。
中島さんがマスコミ報道の後ろにある動きに関心を持ったのは、新聞に出ていたあるベタ記事からだったそうです。
大見出しの記事とは無縁の、そうした小さな記事にこそ、個人としての記者の良心が現れているのではないか、そして事実につながるものがあるのではないかと感じたそうです。
かつての新聞にはたくさんの小さな報道記事が載っていました。
しかし、最近の新聞は週刊誌のような内容になり、小さな事実報道記事はほとんどなくなってしまったと言ってもいいくらい少なくなりました。
私もベタ記事愛読者だったので、そういう変化には「ある意図」を感じています。
読者には、発行者の編集意図に沿って構築された世界が与えられるだけであって、読者が考察したり推測したりする余地は極めて少なくなったのです。
新聞の役割が変わったと言ってもいいでしょう。
中島さんがマスコミ報道の向こう側にある動きに興味を持ったのは、落合信彦さんのドキュメンタリー作品だそうです。
その一連のシリーズから、マスコミが提供する世界とは違う世界の存在に興味が向き、そこからさまざまな書籍を読みながら、自らの世界の筋立てを考えるようになったそうです。
そうすると、これまで体験してきたことも含めて、いろんなことのつじつまが合ってきて、世界が見えだしてきたと言います。
メディアリテラシーを高めるとは、自分の世界を広げ、自分の軸を持つことかもしれません。
「陰謀論」の話題に入る冒頭で、中島さんは、そもそも日本はアメリカの同盟国なのだろうか、と問いかけました。
すかさず、アメリカは日本の宗主国だという声が出ました。
日本は主体性を持った独立国家だと思っている人もまだ多いでしょうが、アメリカの属州的位置づけになっていることは最近公開されだしたアメリカの資料などでもかなり明確になってきています。
これは「陰謀」ではなく、単純な事実です。
しかし、そうしたことでさえ、多くの人に対して明らかになってきたのはつい最近ですし、明らかになってきても、それでいいという人が圧倒的に多いのかもしれません。
そういう状況が維持されてきているところに、ある意図が働いているのかもしれませんが、それは「陰謀」ではなく「政治」そのものと言ってもいいでしょう。
「陰謀論」的な具体的な話は、北朝鮮関係から世界金融支配体制まで、いろいろとありました。
それを紹介しだすときりがないのでやめますが、中島さんが共感しているのが、元陸上自衛官の池田整治さんの主張です。
池田さんは、世界の真実を見るポイントとして、「その人がどのグループに入っていて、お金が最終的にどこに集まるのかを見ることが大切だ」と指摘している人ですが、中島さんもその視点で考えているようです。
中島さんは、池田さんの、人々を5階層で捉える見方を紹介をしてくれました。
「ウラの支配層」「オモテの支配層」「無自覚な支援層」「被支配層」「気づいて対策する人々」。
その頂点にいるのが、いわゆる「1%の人たち」(超富裕層)なのかもしれません。
「1%の人たち」はアメリカにだけではなく、世界各国にいて、国家制度さえをも私的目的に利用しているのかもしれません。
海外で長年仕事をされてきた参加者の方は、表面的には対立している国家を動かしている人たちも、実際にはスイスで話し合いをしているということを話してくれました。
サロンでも、世界は「ウラの支配者」あるいはそうした人たちの「大きな力」で動かされているというような話が主流だった気がします。
そうした見方からすれば、たとえば金正恩もトランプも習近平も、みんな仲間ということになります。
表面的には対立しているようで、実は利益をシェアしているということになります。
そして、陰謀論的な考えでは、彼らを動かしている「ウラの支配者」がいるということになるわけです。
こうした議論から派生して、日韓関係に関わる、いささか刺激的な視点なども出されたのですが、それはまた改めてサロンを開くことにしました。
なにしろ話が大きいので、話し合いも終わることはありません。
中島さんはいくつかの書籍を紹介してくれましたが、前回のサロンで本田さんが紹介したのと同じものがありましたので、ここでも紹介しておきます。
「知ってはいけない隠された日本支配の構造」(講談社現代新書)
中島さんも本田さんもお勧めです。
今回も参加された本田さんが、もう1冊、「アメリカの鏡・日本」(角川ソフィア文庫)も紹介してくれました。
なお、中島さんが紹介してくれた池田さんもたくさん本を出されていますが、中島さんは、池田さんを囲む定期的な勉強会もやっています。
https://www.facebook.com/events/469984440045893/
参加ご希望の方は中島さんに連絡してください。
今回も話し合いの内容を報告するのは難しかったですが、マスコミ報道だけを真に受けずに、さまざまな見方にも接しながらマスコミ報道を見ると何か気づきがあるだろうということです。
それと書き忘れましたが、近現代史をもっとしっかりと学ぶことが大切だという意見もかなり出ました。
最後に私も意見を話させてもらいました。
1960年代のアメリカの対抗文化を「緑色革命」という書籍で解析してくれたチャールス・ライヒは、いまから20年ほど前に「システムという名の支配者」という書籍を書いています。
そこでは、人と人、あるいは国家と国家ではなく、システムと人の対立関係が世界を動かすという視点が出されていました。
私はそれがいまかなり明確になってきたように思います。
そうした構造を踏まえると世界はまた違った見え方がします。
国家が対立しているように見えますが、たとえば「アメリカ」といった場合、その実体は何なのか。
アメリカ政府なのかアメリカ国民なのか。
アメリカ国民と言っても、それは超富裕層の1%の人たちなのか、99%の人たちなのか。
あるいはトランプ支持者なのかアンチ・トランプの人たちなのか。
こう考えれば、対立の実体は実は見えなくなってきます。
そこが私は最大のポイントだと思っています。
しかし、システムと人間の対立と考えれば、構造は見えてきます。
金正恩もトランプも習近平も、1%の超富裕者も、システムによって選ばれたシステム運営管理者と考えられるわけです。
つまり彼らはシステムの一部であって、利害共有者なのです。
そしてシステムに対する対抗力が育たないように、人のつながりを分断していくのが彼らの役割です。
たぶんなかなか理解してもらえないと思いますが、いつかこれをテーマにサロンをさせてもらえればと思っています。
ちょっと「危険思想」のにおいがするかもしれませんね。
事実はいつも危険なにおいがするものです。困ったものですが。
ところで、今回のサロン参加者のみなさんのなかには、いまの日本にかなり絶望している人が多かったのは意外でした。
なかには“too late”という人もいましたが、私は失望はしていますが、絶望はしていません。
ですから、こうしてサロンを続けているわけです。
今回は茨城県の主婦の方が、国会の原発反対デモに行こうか湯島のサロンに行こうか迷ったうえで、湯島に来てくださいました。
諦めずにサロンをつづけていることが少し報われた気がしました。
100年後には世界はきっと豊かになっているでしょう。
参加者が多かったので、十分発言できなかった方が多かったと思いますが、お許しください。
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