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2018/01/12

■金銭のための経済と生活のための経済

「ダブル・インカムの意味」の続きです。
ダブル・インカムは「豊かさ」の象徴なのか「貧しさ」の象徴なのか、それは一概には言えませんが、経済成長率に象徴される経済成長もまた生活向上とは必ずしも正のリンクはしていません。
そのことをしっかりと認識しないといけません。

現在の経済成長の測定基準は、金銭換算の生産額です。
金銭基準の生産は金銭消費に支えられています。
とすれば、経済成長は金銭消費で測定されていると言ってもいいでしょう。
金銭消費額が増えれば、経済は成長したといわれるわけです。
テレビでもよく、経済が成長するには、国内(家計)消費が増えないといけないと言われます。
お金を使うことによって、豊かさを感ずる人も最近は少なくないでしょう。
お金を使うことが豊かさ?
これってどこかおかしくはないでしょうか。

たとえば、交通事故を起こしたとします。
それによって金銭の授受が発生します。
壊れた自動車や建物を直すためにも「生産活動」が発生します。
つまり、自動車事故を起こすことは経済成長に貢献します。
その行き着く先が、戦争を起こして市場を拡大する戦争経済です。
ちょっと拡大しすぎかもしれませんが。

しかし、経済成長のためには、市場をつくりださなければいけません。
生活のためではない、生産のための市場です。
そこから「過剰と浪費の経済」がはじまります。
そして「消費主義症候群」が広がっていきます。

市場創出のために、それまで金銭とは無縁であった分野が次々と「市場化」されてきています。
家事や近所付き合いもどんどん市場化され、福祉や環境問題までもが金銭化されてきています。最近、問題になっているスポーツも、いまや完全に金銭市場化しています。
さまざまな問題が顕在化してきていますが、私には市場化の当然の結果のように思えます。
そしてそうした問題がまた、次の市場へと広がっていく。

無限の市場をつくりだすのも簡単です。
壊しながら創ればいいのです。
アメリカのベストセラーは、いつの時代も2種類の本だと言われます。
グルメを勧める本とダイエットを勧める本です。
「新たな」欲望に火をつけ、煽り立てることで、「顧客を創造する」ことが経営だという、私には信じがたい専門家もいます。

こういう経済の捉え方では、とても生活の向上には向かいません。
「経世済民」の経済が、いまや「金銭蓄積」の経済になってしまっています。

その結果、何が起こるか、言うまでもなく、汗を吸い取る仕組みです。
昔は働くことで金銭も稼げましたが、いまは働けど働けど、生活は豊かになりません。
働かない人に金銭が集まるようになってしまったのです。
そして格差が広がり固定化してきています。

いささか極端に書きましたが、経済には2つあるのです。
金銭のための経済と生活のための経済。
そこをきちんと分けて考えていかないと、おかしなことになりかねません。


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