■節子への挽歌3790:「あなたに会うと元気をもらえます」
節子
今日は春の1日になりました。
残念ながらわが家の庭の河津桜は今年も咲きませんでしたが。
昨日、湯島の集まりで、「ほめカード」というのを考案した櫻井さんがみんなに紹介してくれました。
何枚かあるカードから、みんながそれぞれ1枚をランダムに選び、それをいっせいに自分の前で開くのです。
そこには、人を幸せにしてくれるような「ほめ言葉」が書かれています。
それを一人ずつ順番に、カードをもっている人に向かってみんなで読み上げるのです。
カードには、「そのままのあなたがとてもすてきです」とか「大丈夫!きっとうまくいきます」などとその人を褒めたり、元気づけるようなメッセージが書かれています。
それをみんなが読み上げてくれるわけです。
そしてそのメッセージを受けた人は「ありがとう」と返して、みんな幸せになるというゲームです。
私が選んだカードには、「あなたに会うと元気がもらえます」とありました。
みんなが読み上げてくれたのですが、私は「ありがとう」とは言わずに、「それはあなたの誤解です」と返してしまいました。
いやはや困ったものです。
ところで今朝のことです。
新潟のKさんから電話がありました。
Kさんは昨年から大変な事ばかり続いているうえに、大雪で自宅にこもることが多く、滅入ってしまっているのです。
そして時々電話をかけてきます。
いつも長電話なのですが、話しているうちに声の質が変わってきます。
私は別に元気づけているわけではなく、むしろ聞き様によっては、Kさんを批判しているような言葉さえ少なくありません。
幸いにKさんは私よりもご高齢なので、聞きたくないことはたぶん耳に入っていないのでしょう。
そのせいか、少し話が進んだ頃に、いつも「佐藤さんの声を聞くと元気になります」というのです。
いつものように、その言葉を聞いて、昨日の「ほめカード」のことを思い出しました。
すなおにみんなに「ありがとう」と言っておけばよかったです。
そういえば、先日富山から湯島にまでやってきてくれたIさんも、同じようなことを言っていました。
もしかしたら、私は誰かの元気を引き出すことができるのかもしれません。
しかしどうも、自分自身の元気は引き出せない。
私の元気を引き出すのは、やはり節子しかいないのかもしれません。
しかし、その効用も、目覚めて8時間もたったら、もうどこかに行ってしまった気がします。
湯島のオフィスから一人で空を見ていると、無性に悲しく、寂しくなります。
春は、やはり「さびしい季節」です。
そう思えるような、実にのどかなあったかい日です。
でも、なにかが欠けている。
幸せは満たされることからきますが、寂しさは欠けていることからくるようです。
幸せと寂しは両立するようです。
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