■節子への挽歌3957:幻のキリギリス
節子
昨日から暑さの質が変わってきているように感じていますが、今日の午後はますます暑さに重力が加わってきたような暑さです。
私の心身が、一昨日までとは明らかに違ってきています。
そんなわけで今日は終日、ほぼ自宅にいました。
ただ朝に畑には水をやりに行きました。
そこでキリギリスに出合ったのです。
私は子どもの頃は、キリギリス獲りの名人でした。
節子と結婚してからも、子どもたちと滋賀に帰省した時に、キリギリスをつかまえて虫かごに入れて新幹線で帰ってきたことも何回かあります。
社内でもキリギリスはうるさかったですが、当時はまだ迷惑だといわれることもありませんでした。
自宅に庭に放して飼育したかったですが、それはいつものことながら成功はしませんでした。
その頃は、道を歩いていて、キリギリスの鳴き声を聞くと、どうしても捕まえたくなりました。
キリギリスにも、節子にも、迷惑のことでしたが、それが私の習癖でした。
水辺を見るとカニを探したくなるのと同じ習癖です。
いまもそれは変わっていません。
しかしもう10年以上、キリギリスに出会ったことはありませんでした。
それが今日、畑のキュウリの支え棒のところにオスのキリギリスがとまっていたのです。
しかし残念ながら怪我をしていました。
羽が半分なくなっていたのです。
水をかけてもあまり動じず,人付き合いのいいキリギリスでした(私の記憶ではキリギリスは人への警戒心が強いです)。
携帯電話を持っていかなかったので写真はとれませんでした。
帰宅してから、やはり写真に撮っておこうと、畑に戻りました。
しかし、もうそこにはいませんでした。
当たりをだいぶ探しましたが、見当たりません。
あれは幻覚だったのでしょうか。
そんなことはないでしょう。
きっとまた会えるでしょう。
今朝は、ほかにもいろんなバッタなどにも会っていますが、みんな順調に育っています。
野草を刈りとり、耕したところよりも、野草たちの王国の方が、どうも豊かなのかもしれません。
少しだけ子どもの頃の野原を思い出しました。
そして、大人になってからも、野原でキリギリスを見つけたり、川でカニを探したりする私に、いつも笑いながら付き合ってくれた節子のことを思い出しました。
私には一番楽しい時代だったかもしれません。
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