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2018/07/18

■節子への挽歌3948:「誰とも親しくなるな」

節子
猛暑もあって最近は在宅する日が多くなっています。
在宅していると世界がどんどん小さくなっていくような気がします。
やはり暑くても外に出ないといけません。

昨日、テレビで放映された「フューリー」という戦争映画を観ました。
ずっと以前観た映画ですが、その時も記憶に残ったのですが、主人公の戦車隊に入隊8週間目の新兵が配属されます。
彼に主人公が最初に言うのが、自分の戦車を指さして「あれが家だ」と言った後、「誰とも親しくなるな」という言葉です。
最初に観た時にも、強い違和感を持つとともに、強い共感を持ったのを記憶しています。
映画のストーリーは忘れていたのですが、この言葉だけはすぐ思い出しました。

これだけでは真意が伝わりにくいかもしれません。
そのシーンの前に展開されるのが、戦いの場面で、主人公の小隊は主人公の戦車だけが生き残り、しかもその戦車メンバーの一人が死んでしまうシーンです。
仲間の死に耐えられないほどの辛さを味わった主人公が、「誰とも親しくなるな」と口に出す気持ちは理解できます。
でもそれはたぶん本音ではないでしょう。
死を悲しむ友を持つことの幸せとその友を失う辛さは、同じものです。
幸せとは常に悲しみや辛さと一体なのです。
いや、悲しみや辛さがあるからこそ、幸せがある。

昨今の日本社会の風潮は、しかし、こうしたことを怖がっているような気がします。
悲しさや辛さから逃げようとするあまり、幸せを失っている。
そんな気がしてなりません。
いまの日本人は、幸せを求めていないとさえ思うことがある。

幸せのなかには悲しさや辛さが含まれています。
悲し涙と嬉し涙は同じものです。
それに気づくのに私は10年近くかかりました。
それに気づけば、世界は平安になります。
何しろ不安さえもが平安の一要素というわけですから。

今日は友人がはじめて人を湯島に連れてきてくれます。
親しくなれるといいのですが。

ちなみに、映画の主人公の言葉ですが、これは「戦争」への痛烈な批判であって、その真意はもちろん「人嫌い」などではないのです。
誰とも親しくなってしまう人間性を、戦争の中でさえ、しっかりと持っている人です。
最近の科学技術社会は、戦争社会と似ていると私は思うことがありますが、であればこそ、人間性を見失ってはいけません。
自戒を込めて、そう思います。

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