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2018/08/09

■節子への挽歌3992:輪廻と解脱

節子
昨日はもうひとり有名人の訃報に接しました。
津川雅彦さんです。
妻の朝丘さんを看病の末、見送ってから4か月後の旅立ちです。

前に書いたこともある「100万回生きたねこ」を思い出しました。
佐野洋子さんのベストセラーにしてロングセラーの絵本です。
誰も愛さないまま自己愛の中で輪廻を繰り返していたトラネコが、百万回目にしてようやくシロネコを愛すようになり、そのシロネコが先に死んでしまった後、嘆きのまま死ぬのですが、今度は「2度と生まれませんでした」という物語です。
仏教的に言えば、輪廻転生を解脱し、涅槃に入ったわけです。
たぶんトラネコは、シロネコの死を自分の死とつなげて、そこにまさに自らの死を実感したのでしょう。

自らの死は、実際にはなかなか実感できません。
死を実感する「自分」はもうそこにはいないからです。
しかし、自分と一体化するほどにつながっている人の死は、一般には「二人称の死」と言われますが、同時に「一人称の死」とも言えるかもしれません。
実際に、そこで人生が変わる人は少なくありません。
私は、津川さんのようにはできませんでしたが、人生は変わりました。
節子への愛の深さが不足していたとは思いたくありませんが、もしかしたらそうかもしれません。
いまもなおだらだらと生きながらえてはいますが、これもまた私の定めなのだろうと思うようになっています。

津川さんは、もしかしたら輪廻の世界から解脱し、涅槃に入ったかもしれません。
そんな気がします。
しかし、その一方で、沖縄の翁長さんは、今すぐにでもまた現世に戻ってきたい思いだったかもしれません。
そういう翁長さんの生き方にも魅かれます。
自らの涅槃に入るよりも、みんなの世界を涅槃にしたい。
その実現がたとえ、何劫年先になろうとも。

おふたりのご冥福を心から祈ります。

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