■節子への挽歌3996:お盆の入り
節子
今日はお盆の入り。迎え火の日です。
わが家では直接お墓に先導の火を持って行って一緒に帰宅しますので、迎え火はたきません。
先導の火も、むかしは提灯に入れて消えないようにして自宅まで持ってきていましたが、最近はお墓がちょっと遠くなったので、自動車で迎えに行きます。
先導の火は、ロウソクですが、入れるのは提灯ではなく赤いランプ入れです。
基本的なルールには従いますが、どこかにちょっとわが家らしい工夫をするのは、節子時代からのやりかたです。
もっとも最初の頃は、節子はそうした「あそび」はあまり好きではなかったのですが、なぜかある時から、むしろ主導するようになりました。
節子はとても生真面目なタイプだったのですが、私と一緒に暮らすようになってから、多分本当の自分に戻り、別の意味でのまじめさを取り戻したように思います。
節子の若いころの日記を読んだことがありますが、「まじめ」すぎるほどまじめな考え方をしています。
私と出会って、さぞかし頭が混乱したと思いますが、いつの頃か節子の方が赤心を発揮するようになりました。
言葉を通してではないですが、節子から学んだことはたぶんたくさんあるのでしょう。
だから今でも私は節子から離れられないでいるのかもしれません。
節子と一緒だと、いつも完全に自らを開くことができ、それがいつの間にか私の生き方になったのですから。
今日も朝から蝉がにぎやかです。
昨日載せたきゅうりと茄子の馬と牛の写真の前に、蝉の抜け殻を置きました。
わが家の庭にあったものですが、蝉に先導してもらうようにしたのです。
蝉は、復活や変身の象徴ですが、私は昔から、水分の全く感じられない蝉に生命をあまり感じませんでした。
とても不思議な存在でした。
もしかしたら、蝉は彼岸と此岸を往来しているのかもしれません。
今日は、普通の夏らしい夏の日になりそうです。
友人たちとの約束をしてしまったため、迎え火には行けませんが、娘たちと孫が私の代わりに行ってくれるそうで、安心です。
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