■東京都自閉症協会の「声明文~相模原障害者支援施設での殺傷事件から2年を経て~」
東京都自閉症協会が、「声明文~相模原障害者支援施設での殺傷事件から2年を経て~」を発表しました。
前文に、「私たちは次のことを目標に活動していきます」と明言されているところに、協会の姿勢を感じます。
理事長の今井さんから、「当事者団体なので、主張と言うよりも自分たちがなにをしていくかを役員で話し合って声明にしました」とお聞きしました。
一人称自動詞で考えることを大事にしている私としては、その姿勢に共感します。
この声明に関しては、先日の相模原事件のアフターサロンでも話題になっていましたので、みなさんにもお伝えしたいと思います。
短いですので、ぜひお読みください。
http://www.autism.jp/news/2018/08/000889.html
最後に「障害者の幸せはあらゆる人の幸せにつながっている」と書かれていることに同感します。
しかも、それを「実際の活動を通して示していきたい」と表明しています。
私は、「大きな福祉」という理念で、これまで15年以上、NPOやいくつかの当事者団体ともささやかな接点がありますが、こういう姿勢の声明ははじめてです。
ぜひ多くの人に読んでいただきたいです。
この声明を中心にサロンを開きたくなっています。
声明文を、念のために貼り付けます。
<本文>
2016年7月26日に19名の利用者が殺害され、27名の方が重軽傷を負った事件から2年が
経ちました。
お散歩が楽しみだったAさん、お買い物が大好きだったBさん、みんなそれぞれ安心な
日々を送っていたはずです。そのかけがえのない毎日が一瞬で奪われてしまいまし
た。どんな場所で生活しようと二度とこのようなことがあってはなりません。誰もが
安心して暮らせる世の中を実現するために、私たちは次のことを目標に活動していき
ます。
1. 人の存在は経済的な価値ではかられるものではなく、生きていること・その存
在自体に価値があることを引き続き訴えていきたい
2. 重度知的障害者の支援施設での生活は管理が中心ではなく、楽しさや笑顔のあ
る毎日になるようにしたい
3. 自傷・他害リスクがある、生理三原則の達成に困難をかかえるというような要
支援度が極めて高い重度知的障害者を支援する職員の経済的、社会的地位を改善し、
その仕事に求められる人格や能力を有する人材を確保しやすくしたい
被告の行為は、名を成さんがために抵抗すらできない弱い者を殺傷した卑怯なもので
した。その背景には、人を経済的価値で考える世の中の傾向や、社会問題を暴力的に
片付けるという傾向が投影されているのではないでしょうか。
私たちは英知で、障害者の幸せはあらゆる人の幸せにつながっていることを、実際の
活動を通して示していきたいと思います。
2018年8月
NPO法人 東京都自閉症協会 今井 忠
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