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2018/10/21

■第3回有機野菜の旬を楽しむ会の報告

霜里農場金子友子さん主催の「有機野菜の旬を楽しむ会」も3回目になりました。
今回は、この1年間、霜里農場で実習し、来月福岡に帰る「たなちゃん」こと棚町弘一郎さんがゲストで、棚町さんの新たな門出の祝いを兼ねての、「たなちゃん送別会サロン」でした。
そのおかげで、たなちゃん世代の若い人たちがたくさん参加してくれ、いつもとは違う雰囲気でした。
旬の有機野菜は「枝豆」。
「枝豆」ということもあって、参加者からビールの差し入れもありました。

最初に、たなちゃんから、なぜ農業を志したのか、そしてなぜ実習の場所が霜里農場だったかの話があり、それから福岡に戻ってからの活動の構想が紹介されました。
たなちゃん手作りの紙芝居的イラストを使っての話は、とても共感できるものでした。

たなちゃんは作物科学というのを大学で専攻したそうですが、そこでいくつかの疑問にぶつかったようです。
そして自分は研究ではなく実際の農業の現場で活動しゆと決断したそうです。
その背景にはたなちゃんの生き方に関わる3つの信条がありました。
「自然を大切にすること」「人の役に立つこと」「身近な人を大切にすること」です。
もしかしたら、いまの農業は自然を壊しているのかもしれません。
しかし、自然を豊かにする農の営みもあるはずです。
それがたなちゃんの思いだったようです。
また「農業」を通して、みんなの、特に身近な人の役に立ちたいと思っているたなちゃんは、農業への取り組みがその地域全体を豊かにすることにつながっていけばいいなと思っています。
ですから、霜里農場のように、そこから地域全体に広がっていくスタイルに、たなちゃんは惚れ込んだわけです。
そこで霜里農場での1年間の実習を決めたそうです。
こうしたたなちゃんの生き方に私はとても共感しました。

福岡に帰ってどうするか。
まずは引き続きもう少し有機農業を地元で学ぶそうですが、並行して福岡市の郊外に自分の農場をつくるそうです。
場所も大体決まっていて、室見川の上流の、まだあまり有機農業が行なわれていないところのようです。
その場所を選んだ理由もとても共感できるものでした。
そして、3つのことをやりたいと話しました。
「寺小屋」「引き売り」「室見川流域の生活つなぎ」です。
内容は省略しますが、これは私が理想としている構想にも通じますので、とても感心しました。

何やらとても明るい未来を感ずる話でした。
それにたなちゃんを応援する若者たちもみんな農業に関心を持っているようで、とても元気をもらえました。

枝豆を味わう前に、少しだけ話し合いをしました。
いろんな話がありましたが、「有機野菜」の対語が「慣行野菜」だと知りました。
私は「有機野菜」や「有機農業」という言葉に違和感がありますが、「慣行野菜」という言葉には拒否感を持ちました。
ネットで調べたら、化学肥料を主に使って栽培した野菜を「慣行野菜」というようです。
化学肥料を使用するのが「慣行」?
一体どうなっているのでしょうか。
どう考えてもおかしい。
日本の農の営みは、自然との循環の中で、土や自然とともにあったはずです。
化学物質で土を殺し、野菜を追いやる農は断じて日本の「慣行」ではなかったはずです。
そうした用語を許している農業関係者にがっかりしました。
たなちゃんの話に元気をもらったはずが、そのことで一挙に元気を失いました。
ここから少し怒りを感じて、草取りが大変だなどという考えを捨てようとか機械を使っても有機農業といえるのかなどと、ついつい暴言を吐いてしまいました。
あとでたぶん友子さんに叱られるでしょう。

それはそれとして、たなちゃんのこれからの活動が楽しみです。
たなちゃんの友人で、短期間ですが、やはり霜里農場で実習した田中さんが、実家でつくっているという無農薬のリンゴを持ってきてくれました。
私も食べさせてもらいましたが、彼も農家を継ぐ思いがあるようです。
無農薬のリンゴ。
その彼も、後で「皆さんの前で話せるような立派な農家になれるように頑張ります!」とメールをくれました。
また元気になれました。

とてもいいサロンでした。
農業は、いや正確には、「農の営み」は、人を誠実にし、素直にし、元気にしてくれることを改めて確信しました。

たなちゃんのこれからの活動が楽しみです。


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