■消費することも「仕事」です
昨日、「個人と組織の関係を考える研究会」でした。
さまざまな分野で活動している人たちで始めた研究会ですが、いまはそのシーズン2で、会社を切り口にして話し合っています。
昨日のいろんな話題が出ましたが、その一つが「AIによって人間の仕事がなくなっていくことと高齢者の増加」が話題になりました。
たまたま昨夜、NHKテレビの「マネー・ワールド」で、AIによって仕事が激減することとベーシックインカムが話題にされていました。
ベーシックインカムも、昨日の研究会やサロンでも話題になったことです。
これに関しての私の考えは、極めて明快なのですが、なぜかほかの人が語っているのを聞いたことがありません。
昨日の研究会でも話しましたが、多分冗談だと思われてスルーされています。
しかし、たぶん間違いないでしょう。
遅くも30年後には常識になっているでしょう。
それは「仕事」の捉え方が変わるということです。
ブログでは何回も書いていますが、私の仕事観からすれば、今でも地方にはたくさんの仕事があります。
昨日もこれも発言しましたが、まだ受け入れられませんでした。
私が実行しだしてから30年ですので、多分これは間もなく受け入れられるでしょう。
AIが発達してきたおかげで、私の仕事観はようやくリアリティを持ってきました。
簡単に言えば、「消費」も「仕事」だということです。
何だそんなことはわかりきっていると言われそうですが、まだまだ「仕事」とはお金をもらうことだと考えている人がほとんどですから、「消費も仕事」という時の「仕事」は、私の捉え方とは違っていると思います。
会社を辞めた直後に、日本能率協会の雑誌に「脱構築する企業経営」という連載をしました。
そこで「生産」と「消費」はコインの裏表と書きましたが、その頃はまだ経済の捉え方が私にはできていませんでした。
しかし会社を辞めて30年近く、報酬と仕事は別のものという働き方をしてきたおかげで、ようやく確信が持ててきました。
消費も立派な生産的な仕事なのです。
生産と消費は対立語ではなく、消費は生産のサブシステムであり、消費によって生産は完結するのです(さらにいえば、循環させるための「還元」も必要ですが)。
生産とは金銭を得ることではなく、価値を創りだすことなのです。
AIが人のする仕事を奪うようになってきたので、このことがわかりやすくなってきました。
AIと共存できる仕事、それが「消費」なのです。
いくら生産しても、消費する人がいないと、経済は動きません。
セイが言うような、供給が需要を創りだす「物不足時代」は終わりだしています。
現に日本では今、供給力過剰で、実体経済が停滞し、「失われた30年」がつづいています。
その事態を打破するのは簡単で、お金をばらまいて、消費したいのにできないでいる人たちに「消費する仕事」に取り組んでもらえばいいのです。
つまり景気対策としてのベーシックインカムです。
長くなってしまったので、もうやめますが、「消費することは生産を助ける経済的な仕事」なのです。
「働き方改革」ではなく「仕事の捉え方改革」をする段階に来ました。
それで、私も、今年の春にフェイスブックで予告していた新しい仕事を始めることにしました。
その新しい仕事は、お金を持っている人の代わりにお金を使ってやる仕事です。
但し、そうむやみに引き受けるわけではありません。
いまのところ、最低で3億円以上で、消費する料金は1~2割。
お金を燃すだけでもいいというお客様の場合は費用はかなり高目の特別料金になります。
社会的な価値はあるかもしれませんが、仕事としては面白くないからです。
各地にお金を落として回るというのは、各地の観光旅行でできるので、料金は少し安くなります。
生活に困っている人に喜んでもらえる施設づくりの場合は、料金はとても安くなります。
ブラックなお金は引き受けられませんし、使用目的は私が納得するものでなければ引き受けません。
詳しい仕事募集の案内は、間もなく始める予定です。
上手くいけば、同業者が増えるかもしれません。
AIたちもきっと喜んでくれるでしょう。
そしてその先どうなるか。
それもサロンなどでは話していますが、あんまり真剣には聞いてもらえません。
しかし、きっとそうなるでしょう。
私にはちょっと悩ましい問題が、それによって発生するのですが。
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