■カフェサロン「『ホモ・デウス』が予告する政治の未来と民主主義」のお誘い
今回は最近話題になっている書籍『ホモ・デウス』を材料に取り上げて、ヒューマニズムやデモクラシーの未来を話し合いたいと思います。
リンカーンクラブとCWSコモンズ村の共催です。
『ホモ・デウス』は、『サピエンス全史』につづく、ユヴァル・ノア・ハリスの著書ですが、その第3部「ホモ・サピエンスによる制御が不能になる」で問題提起されている、「AIと政治制度」に焦点を合わせた話し合いにしたいと思います。
したがって、基本的には、『ホモ・デウス』の下巻の第3部だけでも読んで参加してもらえればと思います。
しかし、読書の嫌いな人もいるでしょうから、以下にそのエッセンスは紹介します。
たとえば著者はこんなことを書いています。
「18世紀には、人間至上主義が世界観を神中心から人間中心に変えることで、神を主役から外した。近代以降の歴史を、科学と特定の宗教(人間至上主義)が手を組み、「人間の経験が宇宙に意味を与える」と信じながら、力を手に入れていくプロセスだった」
「21世紀には、データ至上主義が世界観を人間中心からデータ中心に変えることで、人間を主役から外すかもしれない」
「人間至上主義に取って代わるものとして最も有力なのは、人間ではなくデータをあらゆる意味と権威の源泉とするデータ至上主義だ」
「人間からアルゴリズムへと権限がいったん移ってしまえば、人間至上主義のプロジェクトは意味を失うかもしれない」
「人間中心の世界観(ヒューマニズム)を捨てて、データ中心の世界観をいったん受け容れたなら、人間の健康や幸福の重要性は霞んでしまうかもしれない」
ここには2つのメッセージがあります。
①AI(人工知能)がヒューマニズムを無意味なものにし、人権概念を変質させるのではないか。
②民主主義政治はデータベースのAI政治に取って代られるのではないか。
両者は密接につながっていると思います。
ちなみに、これはさらに経済の変質にもつながりますが、今回は政治に焦点を合わせます。
つまり、今回のテーマは、「AIは人間の存在価値を失わせ、民主主義を基本にしたこれまでに政治制度を壊していくのだろうか」ということです。
同書にはこんな記述もあります。
問題の背景を共有するために、引用しておきます。
「テクノロジーの発展によって人間は経済的にも軍事的にも無用になるという脅威は、自由主義が哲学的なレベルで間違っているという証明にはならないが、実際問題としては、民主主義や自由市場などの自由主義の制度がそのような打撃を生き延びられるとは思いにくい」(p133)
「今日の民主主義の構造では、肝心なデータの収集と処理が間に合わず、たいていの有権者は適切な意見を持つほど生物学や人工頭脳学を理解していない。したがって、従来の民主主義政治はさまざまな出来事を制御できなくなりつつあり、将来の有意義なビジョンを私たちに示すことができないでいる。一般の有権者は、民主主義のメカニズムはもう自分たちに権限を与えてくれないと感じ始めている」(p218)
「新しい構造は、民主主義でも独裁制でもなく、以前の政治制度とはまったく異なるかもしれない」(p221)
著者によれば、人類はいま挑戦を受けているわけです。
自らが生み出した者たちに。
挑戦は受けて立たねばいけません。
というわけでもこんなサロンを企画しました。
みなさんの参加をお待ちします。
〇日時:2018年11月18日(日曜日)午後2時~4時半
〇場所:湯島コンセプトワークショップ
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf
〇テーマ:「『ホモ・デウス』が予告する政治の未来と民主主義」
〇進め方:今回は特に問題提起者は決めませんが、最初に少しだけテーマの確認をしてから自由な話し合いにします。
〇会費:500円
〇申込先:佐藤修(qzy00757@nifty.com)
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