■「1%と99%の戦い」の幕が上がった?
日産のゴーンさんの逮捕には興味はなかったのですが、最近の報道を見て、これはもしかしたらとてつもなく大きな事件になるかもしれないという気がしてきました。
一言で言えば、「1%と99%の戦い」の始まりです。
日本の検察がもしそれを意図的に始めたとしたら驚くべき話です。
ゴーンさんはまだ1%の人たちの仲間ではないとしても、1%側の人を目指しているだろうと思います。
その人を起訴することになれば、「1%と99%の戦い」になる可能性は否定できません。
すでに報道されていますが、アメリカでの最高の弁護士の一人が弁護することに決まったようです。
企業事件の裁判の本場はアメリカでしょうから、日本の弁護士などとは格段に強力な力を持っていると思われます。
私たちはともすれば、裁判に正義や真実を期待しますが、現在の裁判は正義や真実を問う場ではありません。
客観的なデータを材料にして、法に合っているかどうかを争う場です。
この種の裁判に手馴れているアメリカの弁護士とあまり手馴れているとは思えない日本の検事とでは、最初から勝負は見えているような気もします。
しかしよほどの自信がなければ日本の検察もこうしたドラマティックな宣戦の仕方はしなかったでしょう。
私がイメージしている検察は、勝つ方法がわかっていることしか起訴しない体質を感じます。
だから最初は、検察の後ろに日本政府やフランス政府がついているとばかり思っていました。
ですから前のノートに書いたように、私にはまったく興味がなかったのです。
ところがどうもその後の報道では、フランス政府もルノーも了解していないようです。
とすれば、これはとんでもない物語の始まりかもしれません。
日本の検察が1%族に戦いを挑んだというわけです。
しかしもう一つの解釈もあります。
これは99%族の成り上がり者が1%族になろうとしていることに対して、1%族が見せしめで、誘発させた事件かもしれません。
たかだか100億円足らずの小銭で、小賢しい細工をするような人は1%族の文化とは違う種族だと思われたのかもしれません。
それにそもそもゴーンさんの生き方は庶民的すぎます。
文化が合うはずがない。
そう考えると、この事件はどこかにおかしさがある。
そもそも「司法取引」などということが使われていることにも違和感があります。
報道の仕方も、ちょっと理解できないこともある。
もしそうだとすると、アメリカ最高の弁護士がゴーンさんについたことの意味を考え直さなければいけません。
この事件の筋書きを描いているのがどちらの人かはわかりませんが、いずれにしろ、「1%と99%の戦い」につながっていく可能性はある。
こう考えると、これまでまったく関心がなかったこの事件への興味がわいてきました。
西川日産社長の勇気に拍手を送りたいです。
西川さんも1%族の下っ走りでいれば、日本の多くの大企業の社長のように、あるいは多くの官僚や政治家のように、これまでのような暮らしができたでしょうに。
何が西川さんに起こったのか、それへの興味も出てきました。
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