■人を評価する基準
ゴーンさんに関して、相変わらず日産をV字回復させた名経営者という評価が繰り返されます。
経営者たちや資本家たちがそういうのは納得できますが、会社で働く従業員までがそういうのがどうも不思議でなりません。
私が会社に入った時(1964年)には、経営者の役割は「雇用の場を増やすこと」だと会社の役員から繰り返し聞かされました。
それにとても共感していました。
それがある時に裏切られたために、私の人生観は変わりだすのですが、1970年代まではそうした「常識」がつづいていたように思います。
ゴーン経営を高く評価する人の企業経営観の基軸は、「人」ではなくて「金」にあります。
日本的経営観ではなく、アメリカ型の経営観に、いつのころから日本でもかわってしまったのです。
金のために人を切るのではなく、人のために金を活かすことが経営だと思っている私には、とてもついていけません。
先日、久しぶりに参加した企業のパーティで、アメリカで働いているアメリカ人から、「トランプ大統領は人間的には最悪だが、アメリカ経済をよくした点では最高だ」という話を聞きました。
その人はそれをとても喜んでいたように感じました。
どこかに違和感はあったのですが、パーティでのことなので、笑いながら同意してしまいました。
しかしどうも心に引っかかっています。
同意してしまった私にです。
人間よりも経済を大事にする。
ここにも本末転倒があるように思います。
どうも人の価値観は大きく変わってしまったようです。
いや、私自身が社会の変化についていけていないだけかもしれません。
困ったものです。
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