■節子への挽歌4074:「あったかな場」
節子
OTさんが、最近出版した新著を持って湯島に来ました。
先日湯島で開催した「私はなぜ湯島でサロンをやっているのか」の報告を読んで、直接、私に話したいと言って、やってきたのです。
OTさんは、数年前に独立して、組織開発をベースに企業経営のコンサルティングをしています。
私がまだ企業経営に関わっていた時代に私と知り合いました。
その頃の私の姿は、OTさんにささやかに影響を与えているそうです。
当時、OTさんは研究所やコンサルティングをする会社のメンバーでした。
OTさんが私に話したかったのは、節子にも少し関係があります。
OTさんは、まだ節子が湯島に来ていたころのことを話し出しました。
そして、湯島に人が集まるのは、その「あたたかさ」にあったというのです。
OTさんは、節子のこともおぼえていて、私たちが醸し出していた湯島は、あたたかかったと言ってくれました。
私には最高にうれしい話です。
湯島を、だれにでも「あったかな場」にしたいと思っていますから。
OTさんは、最近、対話が話題になっているが、対話の前に、まずは温かな雰囲気が大切だと言います。
あたたかな雰囲気のある場でこそ、効果的な対話が成り立つのだという意味でしょうか。
それが、湯島にはあった。
だから人が集まるのだと思うと、OTさんはいいます。
そして、そのあたたかさは、私だけではなく、節子がいたからこそだとOTさんはいうのです。
それを私に伝えたくて、忙しい年末なのに来てくれたのです。
最近になって、私もそのことに気づきだしています。
私が、企業経営に関して熱く語っていたことも、OTさんは話しました。
理屈ではなく実践なのだと、私が強く言っていたそうです。
ドラッカーの間違いについても、私が語っていたと覚えてくれていました。
その間違いとは「顧客の創造」の話です。
顧客の創造とは市場化にほかなりません。
今や社会全体が「市場化」してしまう新自由主義経済が世界を覆いだしていますが、それではドラッカーが批判しているナチスの二の舞になりかねないというのが私のドラッカー批判のポイントですが、OTさんはいつもそれを話してくれます。
実にうれしいことです。
気がついたら、2時間たっていました。
OTさんは、いま、あの頃の佐藤さんの年齢になった。
今度は私が次の世代に向けて佐藤さんの役割を果たそうと思うと言ってくれました。
私にはそんな思いは全くなかったのですが、少しは次の世代にも役立ってきたのかもしれません。
うれしい話です。
節子の話が出たおかげで、ちょっと目頭が熱くなってしまいました。
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